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外国人労働者、今後も増える? 受け入れ策は転換点に

2018/8/27

ただ技能実習制度に対しては、賃金不払いや劣悪な労働環境、人権侵害といった問題も多く、国際的な批判も出ています。当初の国際貢献という建前と、人手不足に悩む分野の人手確保策という本音の開きが大きくなっています。

――今後、新しい政策が始まると聞きました。

政府は19年4月に、最長5年間の新たな就労資格を設ける方針を打ち出しました。詳細は検討中ですが、対象としては建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野が挙がっており、一部の製造業や外食産業も対象になる可能性があります。25年までに50万人超の就業を目指すといわれます。

新制度の資格を得るには、技能実習制度を修了するか、新設される試験に合格することが条件となります。技能実習生の滞在期間は最長5年なので、新制度と合わせて10年間日本にとどまることもできます。そういう意味では外国人受け入れ政策の大きな転換です。ただし家族を連れてくることは認めない方向です。

――何を基準に政策を検討すべきなのでしょうか。

一つは外国人の受け入れ拡大がもたらすリスクを見極めることです。欧州では人手不足が著しい職種に外国人を入れるとどんな影響が出るのか予測する「市場テスト」を実施する国もあります。日本の新制度の対象となるのは比較的低賃金の職種です。こうした職種で外国人を受け入れると、産業構造の高度化が妨げられ、同じ職場で働く日本人の賃金も抑え込まれて低賃金の固定化を招きかねません。

もう一つは日本が外国人に選ばれなくなる恐れです。新制度で50万人超の受け入れを目指すといっても、外国人にとって日本はそれほど魅力的な国でしょうか。アジアを見渡すと中国やタイでも少子高齢化や労働力不足が進んでおり、外国人労働者の取り合いとなっています。そうした中で「10年たったら帰国してくれ」と言わんばかりの都合の良い仕組みでは、働きに来る人のメリットは乏しいです。

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