厚生年金なぜパート加入? 長生き想定、受給額上乗せ

労働政策研究・研修機構(JILPT)が2月に公表した調査では、制度改正で働き方を変えた人のうち58%が手取りを減らさないように所定労働時間を延長したり、正社員になったりしたうえで厚生年金への加入を選んだことがわかりました。これに対し、厚生年金に加入しないように勤務時間を短くした人は33%にとどまりました。

――なぜ加入者数が予想を上回ったのでしょうか。

厚生年金に加入すると、原則65歳以降の年金受給額も増えます。長生きすることを前提に老後の資金をより多く確保するという考え方も広がってきています。JILPTの調査でも、「将来の年金が増える」といった加入理由が上位にきています。

厚生年金とセットになった会社の健康保険などにも加入することになるので、病気やケガで働けなくなっても、傷病手当金がもらえます。

パートで働く女性を抱える会社が本人に「壁超え」をするかどうかを確認する際、将来の年金増などのメリットも説明するのが一般的になりました。長寿化が進む中で、総合的に考えて加入を選んだ人も多かったのでしょう。

短時間勤務者の厚生年金への加入はパートの女性に限った問題ではありません。大企業で60歳以降に再雇用で働く男性の一部なども、今回の厚生年金の加入者増には含まれています。

――厚生年金の適用拡大は今後も進むのですか。

当初は社員501人以上に限定していましたが、17年4月から500人以下の企業でも、労使で合意した場合は厚生年金に加入できるようになりました。社会保障審議会では今後さらなる適用拡大も検討される予定で、将来は厚生年金の加入対象となる勤務時間や年収の基準がさらに広がる可能性もあります。

従来はこうした厚生年金の適用拡大への企業側の反発は非常に強かったです。保険料は労使折半のため、厚生年金の加入者が増えれば企業側の負担も重くなるからです。

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
次のページ
ちょっとウンチク
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら