人と企業の「築地市場」に 働く選択肢広げる
ビズリーチの南壮一郎社長
ビズリーチの南壮一郎社長
中途採用を募集しつつも、期待していない社長が想定外の即戦力情報に驚くCMで一躍有名になったビズリーチ。もっとも人材紹介会社ではない。南壮一郎社長は、自分を「売りたい」社員と、「買いたい」会社をつなぐ"人材の築地市場"と同社を位置づけている。
――創業から10年。成長スピードが速いですね。
「普通じゃないですか(笑)。楽天もDeNAももっと早かったですよ。もともと成功や成長のパターンを調べたり、物事の構造を分析したりするのが好きで、決して天才肌ではありません。ビジネスってそんなにパターンはありません。価値のあることを正しく続けることだと思います」
「一番難しいのは課題探しです。その課題に対してどんな技術が生まれているのか、どんな新しい物事の進め方ができるのか、当て込んでいきます。この20年では、ヤフーやサイバーエージェントなど世の中にインパクトを与えた会社もパターンは変わりません。あとはその姿を目指したいのか、目指したくないのか、志の問題です」
紹介会社でなくプラットフォーム
――起業前にどんな課題を見いだしたのですか。
「政府の白書にすべて書いてあります。今後は雇用が流動化し、働き方が改革されます。終身雇用もなくなりますよと。ものづくりにIT(情報技術)が侵食すれば、ハッキングされますよと。その上でどうしたら新しい時代の商売として成り立つのか、きっちり設計してきました。それだけです」
――直接的には自分の転職を実現する仕組みがないと思ったからとか。
「ネットで買いたいモノや行きたいレストランは見つけられるのに、自分の人生で最も重要な仕事探しがなぜこんな不便なのかと。これまでは売りたい人と買いたい人との間にある流通が力を持っていました」