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オーダースーツSADA 手ごろ価格で本格仕立て モノづくりに投資集中

日経MJ

2018/9/13

賃料などのコストを抑えることで低価格を実現する(オーダースーツSADA新宿東口ショールーム)

 国内の紳士服市場がふるわないなか、業績を伸ばしている老舗スーツ店がある。オーダースーツ店「オーダースーツSADA」を運営する佐田(東京・千代田)だ。本格的なスーツを税別1万9800円からの低価格で仕立てられる値ごろ感が支持を集める。直営店の本格展開を始めた2011年以降、6期連続で増収を維持している。

■初回は1万9800円でイージーオーダー

 佐田は1961年創業。もともとは、そごうなど大手百貨店や全国の紳士服店からオーダースーツを受注し、自社工場で縫製する卸事業を主としていた。だが紳士服市場の縮小により受注元の紳士服店が減少。今後の卸事業の伸びが期待できないなか、2011年からは直営店の運営に本腰を入れており、現在46店を展開する。

 オーダースーツSADAが支持される最大の理由は値ごろ感だ。初回は税別1万9800円で、2回目以降も同2万4800円からの手ごろな価格で自分にぴったりのスーツを仕立てられる。

 「雑居ビルの2階」や「店舗面積が50平方メートル」など、通常は紳士服店が入らないような安い家賃の場所に出店することでコストを抑え、低価格を実現している。内装などへの投資も最低限にとどめ、「モノづくりと社員教育に投資を集中しているのが強み」と、佐田展隆社長は話す。

初回は税別1万9800円でオーダースーツを仕立てられる

■CAD・CAM使い体形に合わせ縫い上げ

 一般的な低価格オーダースーツ店は、決められたパターンの中から着丈や裾丈を調整するパターンオーダーが多い。一方でオーダースーツSADAは、一人ひとりに合わせたパターンからつくるイージーオーダー。「フィット感が異なる」と佐田社長は強調する。

 同社は生地の裁断にCAD・CAM(コンピューターによる設計・生産)システムを使い、一人ひとりの体形に合わせて縫い上げていく。イージーオーダーであれば上がり肩や猫背、出尻などにも対応できるという。縫製はすべて自社工場で行い、8割を中国・北京の工場、2割を宮城県の工場で実施する。

 少子高齢化や団塊世代の大量退職、ビジネスウエアのカジュアル化などで長年スーツ市場は伸び悩んでいる。総務省の17年の家計調査によると、背広服の1世帯あたりの年間支出額は4676円で、00年(8782円)と比べて半分に減った。

 だが、佐田社長は「オーダースーツに限れば市場は拡大している。大手紳士服店が独占している既製品が徐々にオーダースーツに変わるだけで、売り上げは自然と伸びてくる」と自信を語る。18年7月期の売上高は前の期比6.9%増の33億円となる見込み。創業100周年記念に当たる23年7月期に、直営店を現在の46店から80店超に増やし、売上高50億円超を目指す。

(鈴木慶太)

オーダースーツSADA ▼百貨店などからオーダースーツを受注し縫製する製造卸事業を主としていた佐田(東京・千代田)が、2011年から本格展開する直営店。初回は税別1万9800円からスーツを仕立てられる。一人ひとりの体形に合わせて生地を裁断して縫製する「イージーオーダー」を採用。全国に46店を運営する。

[日経MJ 2018年6月29日付を再構成]

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