クローゼット資産に光を 元Jリーガー、リユース挑戦
SOUの嵜本晋輔社長
SOUの嵜本晋輔社長
SOU(東京・港)の嵜本晋輔社長は元・Jリーガーという異色の経営者だ。家族で始めたビジネスからリユース部門を切り離し、SOUを立ち上げ、買い取り店「なんぼや」などを展開する。10月にはクローゼットの資産価値が分かるアプリを発表。嵜本社長は「クローゼット資産は日々目減りしている。可視化すれば消費も活発になる」と新たなゴールを狙う。
――オフィスがしゃれていますね。
「リユースは古いという印象を持たれますから、見せ方を工夫したいなと思って」
――ガンバ大阪のJリーガーでした。経験は生きていますか。
「振り返るとプロとしての過ごし方がなっていなかった。結果を出せなかったのはサボっていたからだと思います。後悔しない生き方をしようと思うのはその経験からです。周囲はすごい選手ばかりで、早めに見切れて良かったという思いが強い。おかげで別のフィールドに立てましたし」
――大阪でよく見かける洋菓子店「PABLO」は前身だそうですね。
「父と兄弟3人でリユースと洋菓子を始め、PABLOは2ブランド目です。こんなのが欲しいなと思い、パティシエを採用して開発したら、メディアにも多く取り上げられるようになって。でも個人的にはリユースに興味があったので、2011年にSOUを立ち上げました」
一家に1つあるヴィトンに着目
――リユースも競争は激しい。どこに勝算を見いだしたのですか。
「最初は冷蔵庫や洗濯機、オフィス用品など大きくて単価の高いモノばかり扱っていましたが、新品価格が下がると量の確保が難しくなりました。そんな折、出張買い取りで訪ねた顧客宅では一家に一台冷蔵庫があるように、一家に1つはルイ・ヴィトンのバッグがあることに気づきました」
「ブランド品は廃れません。そこで小さくて単価の高いブランドに絞ろうと父に進言しました。それまでのリユース店を閉め、大阪・難波に買い取り専門店を始めました。そこで初めて高級ブランドの爆発力と商売のうまみを知りました」