誰も幸せにしない昭和の働き方 変わらないのはなぜ?第37回 考え方の枠組みを広げる「視点の4P」

■本当に日本人は働き過ぎなのか?

「日本人は働き過ぎだ」と言われ続けてきました。まわりを見渡しても、みんな遅くまで会社に残っていますし、口を開けば「忙しい」を連発する人ばかりです。
ところが、2016年の実労働時間を見ると年間1713時間となっています。年に250日働くとしたら、一日の平均労働時間は6.8時間に過ぎません。これで「忙しい、忙しい」と言っているのですから、よほど「暇な奴だ」と思われるのが怖いんでしょうか。

この話、少し視野を広げて見てみましょう。過去の統計を見ると、ほぼ右肩下がりで労働時間は着実に減ってきています。2400時間を超えていた年もあり、それに比べると30%も減った計算になります。昭和の高度経済成長を支えた人はもっと忙しかったようです。

国際的に見ても、ドイツ(1374時間)やフランス(1482時間)といった国は論外としても、英国(1674時間)や米国(1790時間)と肩を並べるくらいにまでなってきました(いずれも2015年度)。これで働き過ぎを非難されるのでは納得がいきません。

では、なぜ「日本人は働き過ぎだ」と言われるのでしょうか。先ほどのデータを、労働者別に分解してみれば答えが見えてきます。

実は、あのデータにはパートタイムの労働者も入っており、一般の労働者だけを取り出すと2000時間を超えています。右肩下がりで労働時間が減ってきたのは、パートタイムが増えただけで、正社員はこの20年ほぼ横ばい。いわゆる数字のマジックだったわけです。

しかも、男性正社員だけを見ると2300時間にもなり、先進諸国のなかでナンバーワン! 1日当たり9.2時間になり、業種や地域の格差を無視すれば、実感に合うのではと思います。

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