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ニッキィの大疑問

個人情報どう扱われている? SNSから流出で規制も

2018/7/9

日本年金機構からも個人情報が流出した(日本年金機構本部)

 米フェイスブック(FB)で大量の個人情報が流出する騒ぎがありました。交流サイト(SNS)など様々なネットサービスを毎日のように使っているけど、私の個人情報はどう扱われているの?

 ネットサービスと個人情報の問題について、志村佐智子さん(35)と井原幸子さん(45)が渋谷高弘編集委員に話を聞いた。

――FBで大量の個人情報が流出したそうですね。

 2013年、英ケンブリッジ大学の教授がFBと契約し、同社ユーザーにアンケート調査をしました。FBのルールに従いユーザーの同意を得た上でクイズアプリをダウンロードしてもらい、ユーザーの嗜好や行動に関するデータを入手したのです。アプリは約27万人が利用し、各ユーザーの友人の分も合わせると教授は最大8700万人分のデータを得たようです。

 ところが教授は契約に違反し、ある英国企業にデータを横流ししたのです。この会社は個人データを使って有権者の行動に影響を与える仕事をしていて、16年の米大統領選でトランプ陣営がこれらのデータで選挙を有利に戦った可能性があるというのです。

 FBが意図的に個人情報を流出させたわけではありません。しかし教授のような人物が膨大なデータを入手し、悪意ある組織に横流しできてしまう貧弱な管理体制に批判が高まりました。情報流出が判明した後の18年4月上旬、FBのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は米議会公聴会で謝罪に追い込まれました。

――ネットサービスではどんな個人情報が集められてどう使われているの?

 FBやグーグル、アマゾン・ドット・コムといったネットサービスはどれも便利なのに、ほぼ「無料」で利用できますよね。その裏には、これらの事業者はユーザーの行動や趣味、購買履歴といった個人情報を大量に集め、そのデータを人工知能(AI)で分析して、自社で利用したり他社に販売したりして巨額な収益を得ているのです。

 例えばあなたがドイツのビアホールで撮った写真をFBに載せたとします。すると後日、あなたのFBにドイツのビール会社の広告が載るようになるかもしれません。これはあなたの行動履歴からビール好きである可能性をFBが予測し、広告を送るよう企業に勧めるためです。FBは個人データを駆使するターゲット広告で広告主を引き寄せ、年4兆円以上を稼ぐのです。

――私の知らないところで個人情報が使われるの?

 実は近年、個人情報が勝手に使われることがないように、世界中で規制が強まっています。日本では17年5月に改正個人情報保護法が施行されました。欧州連合(EU)が2018年5月に施行したばかりの一般データ保護規則(GDPR)は、違反に対して巨額の制裁金が科されます。韓国、シンガポール、マレーシアなどのアジア諸国も個人情報保護ルールを厳しくしています。米国には日欧のような厳しい法律はありませんが、FBの問題を機に規制強化の世論が高まっています。

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