出資を機に、ファクトタムとTOKYO BASE間で人事交流をすすめた。直営店「ファクトタム 伊勢丹新宿店」(東京・新宿)の店長にTOKYO BASEの社員を招くとともに、ファクトタムの社員をTOKYO BASEでネット通販を担う事業部に送り込んだ。
実店舗ではTOKYO BASEの販売手法を導入。販売員が来店客と連絡先を交換するよう推奨した。客がいつ来店するのか事前に分かれば、販売計画が立てやすく効率的な運営ができる。
ネット通販の運営はTOKYO BASEに受託した。ファクトタムの在庫をTOKYO BASEと共有したうえで、新商品を予約する機能を活用。予約申込数と過去の販売データをもとに、新商品の売れ行きを予想して欠品を防いだ。
これらの戦略が功を奏して売り上げは伸びたが、TOKYO BASEから出向する浅沼惇氏は「まだまだ目標には遠い」と語る。18年の小売売上高はさらに前年比倍増を目指す。
18年中にも直営店を出すほか、海外でのコレクション発表も検討する。有働社長は「アジアにも進出したい。レディースは成熟しているが、メンズは商機がある」と意気込む。アジアを中心に海外での出店を加速させるTOKYO BASEと二人三脚で日本ブランドを世界に発信していく考えだ。(高橋彩)
ファクトタム ▼ブランド名はイタリア語で「勝手に生きろ」という意味で、創業者の有働幸司氏が好きな小説の題名から名付けた。「デニムに対する深い思いと、モードとリアルクローズを融合すること」をコンセプトに、シーズンごとに音楽や映画、本などをテーマに設けるのが特徴だ。
[日経MJ 2018年3月16日付を再構成]
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