眠れる得意技が転職左右 自分ブランド高める掛け算経営コンサルタント 阪本啓一

あなたは何で「とんがり」ますか?

仲間で台湾滞在中、あるバーに行きました。ギターを抱えた若者が私たちの席に寄ってきて、「無銭で世界一周しています」と言いました。「そうか、がんばれ! 今、何カ国目?」「台湾からスタートなんです」「一つめかいっ!(笑)」というやりとりがあって。「じゃあ、1曲歌ってみてよ」と頼むと、彼のオリジナルソングを歌ってくれました。

悪くないが、刺さるほどでもないというのが正直な感想です。「ギター1本で世界を無銭旅行している」という人は彼以外にも大勢いそうです。「彼のレベルの曲や歌」も世界にたくさんあるでしょう。私と仲間の間では「何か、掛け算したいね」という話になりました。

結局、答えの出ないまま、その夜は流れたのですが、セカンドキャリアを始めるとき、彼のような「つるつる」のレベルで「とんがろう」とする人は結構、多いように感じます。「つるつる」というのは「とげとげ」に対比した形容で、「とんがっていない」「フックしない」ということを指しています。

とんがるためには、受けとる相手が「価値」と感じる要素でなければなりません。商売は相手が得することで繁盛するものです。プレゼンテーションの極意は、自分が話したい内容を説くのではなく、相手が聞きたい内容を語るところにあります。

「世界一周の無賃旅行」というのは、本人サイドの理由です。冷酷なようですが、「お客様」にとっては何の意味もないのです。

「生産管理一筋で20年やってきました」「営業を20年やってきました」といった口上は、「世界一周の無賃旅行」ほどではないにしても、やはり「本人サイド」の域を出ません。ブランド要素がつるつるで、フックしようがないというのが正直なところです。

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