働き方改革「やらないと乗り遅れる」は悪魔のささやき第32回 活動の方向性を表す「MVV」

そんな暇があったら、売り上げを取ってこい!

「働き方改革をやれば、もうかるようになるのか?」。先日、ある中小企業の経営者からこんな質問を受けました。言いたいことはよく分かります。長時間労働を止めれば、人件費の削減以上に顧客へのサービスが低下し、業績がダウンするのではないか。そんな懸念を持っているのです。
この質問、いろんな答え方ができます。皆さんなら、どう切り返しますか。上手に答えないと、「そんなことをやる暇があったら、売り上げを取ってこい!」となりかねません。

たとえば、私ならこう答えます。「もうかるかもうからないかではなく、やらないと企業が立ち行かなくなりますよ」と。そもそも論の立て方が間違っているのです。

今、いろんな業種で「空前の人手不足」だといわれています。労働人口の減少により、このトレンドは当面続きます。もはや長時間労働をさせている企業には人が集まりません(一度ネットで噂になったらアウト!)。女性や高齢者をフル活用しないとやっていけません。働き方改革をしないと企業の存続が危うくなってきているのです。

逆にいえば、改革を成功させた企業には、優秀な人材が集まります。しかも、働き方改革によって、仕事の生産性やモチベーションも上がります。風通しのよい職場ができれば、新たな発想も生まれてきます。

確かに一時的には売り上げや利益が下がるかもしれません。しかしながら、長い目で見れば必ず業績に返ってきます。そういう意味では、働き方改革をすればもうかるようになるわけです。

■働き方改革は生き残りをかけた企業戦略

今、実にたくさんの企業が働き方改革に力を入れています。厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」を見ても、数百件におよぶ取り組み事例が載っています。これでもほんの一部であり、まさに「猫も杓子(しゃくし)も」という状態になってきました。

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