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好奇心や向上心を忘れない大人に、新たな驚きや発見を 伊勢丹メンズ館バイヤー 岡田洋一氏に聞く

2018/5/30

イセタンメンズレジデンスバイヤー 岡田洋一氏

 オーディオやカメラをとりそろえた書斎のような空間の先に、スタイリッシュな花やルームフレグランスが整列していたり、週末に出現するバーがあったり――。個人の邸宅をイメージしたという伊勢丹新宿店メンズ館の8階は、メンズ旗艦店の中でもひときわ異彩を放っている。その一角で5月30日から6月28日まで、未来ショッピングのポップアップショップが開かれる。バイヤーの岡田洋一さんに、最近の消費動向や商品選びの基準、今回の企画の狙いを聞いた。

■買い物を「体験」としてプロデュース

――カフェやリフレクソロジーもありますが、8階「イセタンメンズレジデンス」は伊勢丹の中でどういう位置づけなのですか。

 「日本の男性をカッコよくする」というスローガンの下、メンズ館がオープンして今年で15周年。8階はその中で唯一、ファッション以外のライフスタイルグッズをベースに構成しています。

 あえて年齢層のターゲットは設けていませんが、我々の顧客は日経読者同様、知的好奇心や向上心が旺盛で、より充実した生活を送りたいと思っている方々です。どこでも手に入るもの、ありきたりなものでは満足いただけません。誰でも気軽に買えるわけではないかもしれないけれど、ちょっといいもの、なかなか売っていない、めずらしいものを、幅広いアイテムから選りすぐりで提案させていただいています。

――品ぞろえだけでなく、遊び心を感じる演出や場づくりも独特ですね。

 「コト」や「体験」を重視しているのも特徴です。ものを買って終わりではなく、ものを買う行為そのものや、買ったことを通じていかに人生を豊かにできるか、というところまで見据えて追求していきたいと考えています。

 例えば「サロン ド シマジ」は、週刊プレイボーイの元編集長で作家の島地勝彦さんがプロデュースするセレクトショップです。週末には島地さんがバーテンダーとしてカウンターに立ち、グラス片手に77歳の人生の先輩との会話を楽しんでいただけます。「チャーリー・ヴァイス」という謎の人物が世界中を旅して見つけたヒト、モノ、コトを紹介するコーナーもあります。

――商品戦略では冒険もしますか?

 ターゲットやそのニーズが明確で、いいタイミング、いいプライスで提供することが商品戦略の本流だとしたら、我々は少し違うかもしれません。たとえ100人に1人でも、もしかしたら喜んでくれるかもしれない、と思って品ぞろえする場合もあります。一方で、このジャンルならやはりこれ、という定番もあります。そのあたりのバランスは常に意識しています。

 いろいろ経験し、アンテナの感度が高く、自身の価値観や審美眼をお持ちのお客様に対しても、「知らなかった!」「そうきたか!」と感じていただきたい。だから、ここを訪れる人に何かしら新たな発見をしていただけるようなエッセンスを加えることを心がけています。

■先入観抜きでものに向き合う

――岡田さんが商品を選ぶ際のポリシーのようなものはありますか。

 僕自身は悪く言えばミーハー、良く言えば好奇心旺盛。ファッションにしても、歳によって変わっていくと思うから、「自分のスタイルはこれ」と決めつけない。こだわりがないところにこだわりを持つ、というか。だからこの歳になって初めてキャンプやアウトドアに興味を持ち始めたりしています。

――あえて先入観を持たない、その心は?

 こだわりを持ちすぎると、品ぞろえを言葉や書類といった既成概念からつくっていくことになりますが、それだと行き着かない商品ってたくさんある。自分がフラットな状態でいることによって、商品に出合ったときにふっと「面白そうだな」という嗅覚が働くことがあるんです。

――作り手の姿勢はどの程度考慮しますか。

 我々小売りの仕事は、作り手の思いをどれだけお客様に伝えられるかが勝負だと思っています。その意味で、商品の背景にある作り手のストーリーをひもといたときに初めて、自分の中で響いて「やっぱり紹介したい」と思うか否かが見えてきます。

 ただ注意しなくてはいけないのは、それが「押しつけ」になっていないか、という点です。我々は百貨店ですので、品質には一定の基準を持ってしかるべきですが、過去には職人さんや作り手のこだわりが強すぎて、実はお客様はそこまで求めていないのに、同調して説明していた時代があったように思います。

 今はその商品を使うことによって、実際にお客様の生活がどう変わるか、どう豊かになっていくかというところの提案ができるかどうかが、商品を選ぶ際に重要な視点だと思っています。ボールぺンを贈られた新入社員が、書類にサインしたときに「いいペン使ってるね」と褒められて、会社でのコミュニケーションが円滑になる――そんな「商品の先に広がる世界」を意識するようにしています。

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