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2019/9/25

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最近では、モデルのローラさんなど若い人たちが、殺処分ゼロについて当たり前のように声を上げるようになりました。この5年で、「私も保護動物を引き取りました」という著名な方々からの力強いメッセージも増えました。そういう方たちの影響力は、とても大きい。十年前は「なんで動物なの?」と奇異な目で見られましたが、ようやく市民権を得られた感覚があります。

アリスを引き取って「1000%後悔はない」

――滝川さんが今一緒に暮らしているラブラドールレトリーバーのアリスも、初めはフォスターとして預かったそうですね。

苦楽を共にしてきた滝川さんの愛犬アリス

2011年の東日本大震災の直後、被災地で飼い主とはぐれた動物を保護していた知人に電話して、「どんな子でもいいので、引き受け手のない大型犬がいたら引き取らせて」と申し出ました。

――なぜ大型犬だったのですか?

大型犬は引き取り手が少ないですし、1頭で小型犬10頭ほどの飼育スペースが必要になります。食べる量は多いし、力が強く散歩も重労働。大型犬を引き取ってもらえると、保護団体は助かるんです。

アリスは彼女のもともとの名前で、当時3歳でした。とりあえずフォスター(一時預かり)という形で一緒に過ごしましたが、「飼い主が見つかりました」という一報が入ったときは、「離れたくない」という気持ちが芽生えていたので、心臓がドキドキしたのを覚えています。結果的に飼い主さんには震災で手放さざるを得ない事情があり、正式に引き取ることになりました。

――ペットショップで買うのと違って、保護犬や保護猫を引き取るからこその喜びや苦労はありますか。

実家ではずっと小型犬のプードルを飼っていましたが、全く違いましたね。性格もでき上がった大型の成犬を女性1人で引き取るのは通常難しく、保護団体も断る場合が多いんです。でも今、アリスを引き取って1000%後悔はありません。

改めて喜びを感じるのは、「一緒に乗り越えてきた」という同志のような意識を持てたときです。単なる愛情とも、また違う。信頼がどんどん深まっていくというか。大人になっていればいるほど、その子の性格が強く出てきますし、初めのうちは何を抱えているのか、読めない部分もあって、お互いの気持ちに距離があるんです。けれど、ちょっとしたことで、「なんか、一歩近づけたかな」とか「あっ、これでお互いに認め合えるかも」というふうに、距離が縮まっていく。一遍にじゃないんですよ。徐々にです。

それに、保護犬や保護猫の多くは心が傷ついているので、そのトラウマを愛情で癒やす地道な作業が必要になります。ですから飼い主である自分自身も、成長しないといけない。アリスを迎えたことで、私もかなり我慢強くなりました(笑)。

「アニマル・ウェルフェア」にのっとった持続的な活動に向けて

――2017年度の全国の殺処分も約4万3000頭まで減っています。目標達成まであと一息なのではないですか。

数の上では特にこの5年で急激に減りました。一方で、「殺処分ゼロ」という数値目標を追いすぎると、ひずみが生じてしまうことも認識されるようになりました。保護する動物があまりに多いと、手厚く看てあげられなくなったり、多頭飼育で放置されたりするケースも出てきます。治療費や人件費がかさんで、つぶれてしまう保護団体もあります。

保護活動を持続性のある取り組みにするには、動物たちのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上を目指す「アニマル・ウェルフェア」の考え方に基づくことが、とても重要になるわけです。この分野で日本は大きく後れをとっていますが、海外からの目が日本に集まる2020年に向けて、もっと意識を根付かせていく必要があります。

――殺処分ゼロとアニマル・ウェルフェアの両立は悩ましい問題ですが、CVEとしてはどう取り組んでいきますか。

CVEの活動を5年続ける中で、いろいろな保護団体の問題をみてきました。どの保護団体も頑張っていますが、現場は疲弊しています。

一方で、私たちの活動は皆様からの信頼あってこそ成り立つものですから、中立性や公平性がとても大切です。すべての団体を支援するのは不可能ですし、特定の団体を支援することにはリスクも伴います。そうしたジレンマをいかに乗り越えて、財団の活動を啓発や教育から、次の段階に進めていくか。皆で議論しながら、実効性と持続性のある方策を模索していきたいと考えています。

「見えない側面」に目を向けてもらいたい

――「Project Red」の活動は、どんなきっかけで始めたのですか。

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