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従業員全員が職場で一斉に始める

 働き方改革の一環として、従業員全員によるトイレも含む職場の一斉清掃を始めた。そんな話を先日耳にしました。「業者に任せたほうが速いのでは?」「働き方の改悪じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私も最初はそう思っていました。
 ところが、よく話を聞くとそうでもないようです。それどころか、「こういう働き方改革もあるのか」と感心させられました。じわじわと日本中に浸透していくかもしれません。

効率性だけを考えれば、外注に出すほうがコストも時間も節約になります。それを上回る効果があるからこそ、従業員に掃除をさせているのです。

企業経営における掃除の意味を解説する良書、大森信「掃除と経営」(光文社新書)では、掃除の効用として大きく次の3つを挙げています。

(1)心が磨かれて純粋になり、規律正しい行動が取れるようになる

(2)謙虚な気持ちで仕事に取り組め、一生懸命に勤勉に働くようになる

(3)感謝・感動の心が芽生え、仲間同士の連帯感を醸成できる

見てお分かりのように、いずれも精神的な効用ばかり。それがひいては作業効率、品質、安全性、顧客満足の向上などに寄与するという仕掛けです。

これらは本来、道徳や宗教が受け持つべき領域です。それを、誰もが日々の身近な体験を通じて身につけられるのが、掃除という名の修練だというわけです。

日本から海外に広まったフレームワーク

今回紹介する5Sは、数少ない日本発グローバルスタンダードのフレームワークの一つです。海外企業でも採用するところが現れています。もともとは品質改善活動の一環として、職場環境を維持することを目的としてきましたが、今では経営や仕事の管理全般で使われています。

要らないものを捨て、使いやすいように仕分するのが「整理」です。それに対して、必要なときに必要なものがすぐ使えるようにするのが「整頓」です。

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