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ティアックのCMO、伊東奈津子執行役員は同社が5社目の働き先となる

ティアックのCMO、伊東奈津子執行役員は同社が5社目の働き先となる

ティアックの執行役員、CMO(最高マーケティング責任者)を務める伊東奈津子さんは広告・マーケティング畑で25年のキャリアを持つ。米国の音響機器メーカー、フランスの化粧品メーカーなど外資系企業の次に選んだのは、ものづくり精神と技術力を強みとする、日本発の音響機器メーカー「ティアック」だった。老舗メーカーに眠る宝を掘り起こし、マーケティング部門の最高責任者としてファンづくりに取り組んでいる。

◇  ◇  ◇

ティアックは2018年8月に創業65年を迎える日本の音響機器メーカーです。東京オリンピックではスローモーションVTRを手がけ、国内初のテープレコーダーも開発しました。海外進出も早く、創業間もない1950年代には米国からオーディオを大量受注。77年に公開された映画『スター・ウォーズ』シリーズ第1作の音づくりへの貢献や、NASA(米航空宇宙局)のスペースシャトルへの搭載など、世界の音響シーンを牽引してきました。

現在も音楽、医療、航空など幅広い分野でのBtoB事業と、高級オーディオ、レコードプレイヤーといった一般オーディオや音楽制作機器など、こだわりのある商品でBtoC事業を手掛けています。「記録と再生」のプロフェッショナルとして創業の地である東京で事業を続けています。

CMOとしてマーケティング体制を始動

私は2014年にマーケティング本部の立ち上げを任され、CMOとしてティアックへ来ました。それまでのティアックはマーケティングも販売促進も事業部ごとに展開している、いわゆる「縦割り」の組織。コーポレートブランドと全商品ブランドのマーケティングを、統合的・全社的な視点で考えていくのは初めてのことでした。

そんなマーケティング本部に対して、社内には期待の声と同時に懐疑的な意見もありましたが、それは当然です。かつて外資系音響メーカーで16年間マーケティングを担ってきた私には、やりがいのある仕事。新しいプロジェクトをゼロから作り上げていく楽しさ、ものづくりに真摯であるこの会社の魅力に背中を押されながら走り続け、今に至ります。

1対1で直接話すことで見えてきた、社内に眠る「原石」

外部から来た私から見たティアックは、磨きがいのある「原石」の宝庫でした。現場の人たちの話を聞けば「それはすごい!」というものがゴロゴロ出てくるのですが、本人たちは「当たり前のこと」と淡々と語るのみ。控えめで謙虚なあまり、自分たちの魅力を発信することに力を入れてこなかったのです。

まず私がやるべきことは社内に眠っている宝を掘り起こすことでした。最初の数カ月は様々な立場の社員と話すことに注力。経営者、ベテラン技術者、若手社員など60人以上と1対1で会い、仕事の内容や課題、抱いている夢などを聞いて回りました。国内はもちろん海外にも足を運びました。このヒアリングを通じて、ティアックの価値を顕在化させ、ファンを増やしていくための道筋を探っていきました。

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