山形・さくらんぼ東根温泉 サクランボの絶妙な甘さと酸味

初夏を告げる果実、サクランボが6月に最盛期を迎える。この時期ならではのサクランボ狩りを体験しようと向かったのは、生産量日本一を誇る山形県東根市。この地には、名湯も湧いている。サクランボと温泉を同時に味わおうという、ちょっとぜいたくな旅だ。

花の湯ホテルの露天風呂

降り立った駅の名は「さくらんぼ東根駅」。山形新幹線の開通に合わせて市民から募り、名づけられた。駅前にはサクランボの品種が一堂に植えられた「さくらんぼ公園」や、東根市が発祥の品種「佐藤錦」の生みの親、佐藤栄助翁の銅像が立つ。まさに、サクランボづくしの出迎えだ。

まずは、サクランボ狩り。訪れたのは、「神町りんご研究所」。果樹の温室栽培を早くから始め、4代目となる須藤一元さんが様々な果樹の研究に日々努めている。

「上下に揺らすようにやさしく取って」。園内の約8割を占める佐藤錦の木を教えてもらい、おそるおそる手を伸ばす。「より赤い実が甘いですよ」と選ぶコツも教えてもらった。

たわわに実ったサクランボ

これと決めて、コロンと口に放りこむ。張りのある皮がプチッと弾けると、肉厚の果肉からジュースがあふれ出してきた。甘さと酸味が絶妙で、いくつ食べても飽きがこない。味の好みは様々で、あえて佐藤錦以外を選ぶ人もいるという。園内では時間制限の食べ放題。4月下旬から6月上旬までは温室物(20分3800円)が、入れ替えで始まる露地物(60分1500円)は7月上旬まで楽しむことができる。

「サクランボは本当に手間がかかる。雨・雪や鳥から守り、太陽にあてる温度管理も大切。一年中つきっきりです」と須藤さん。園内の収穫や箱詰めは一家総出で、全て手作業で行う。サクランボ日本一の称号は、豊かな土壌と寒暖の差という好環境だけではなく、栽培者の情熱の結晶だと思えた。