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暮らしを変えた立役者

経営再建巡り野村と対立 MBOから1年で黄信号 すかいらーく元社長 横川竟氏(19)

2018/5/4

2006年に会長に復帰。MBOを発表した記者会見では「脱ファミレス」を宣言した(左が本人)

 すかいらーく元社長の横川竟(よこかわ・きわむ)氏の「暮らしを変えた立役者」。第19回は経営再建の過程で生じた、野村証券との対立を語ります。

◇  ◇  ◇

 自らトップとしてMBO(経営陣が参加する買収)を実行することになった。英国の金融機関「CVC」を使うことに決まり、主幹事の野村証券に説明に行った。すると野村の代表権のある副社長が「主幹事が参加できないのではメンツに関わる」と言い始めた。

 MBOは負債を含め2500億円以上の規模になる。外部からの借入金は1500億円必要だった。副社長は「すべて任せてほしい」と頼んできたが、CVCとの義理もある。断ると「せめて半分」と粘る。

 主幹事の依頼をむげに断るわけにもいかない。野村証券を出たその足でCVCの事務所に向かい、トップと交渉。もちろんCVCも渋ったが、野村が1000億円、CVCが500億円で配分を決着させた。

 資金を多く割り振ったことと引き換えに、野村と約束を交わした。上場は5年後とすること、人事権と資産処分権は私が持つこと。「私が業績を上げて会社を建て直す。だから1株2500円を下回る金額ではMBOは実行しません」とも伝えた。

 MBOを実行する2006年。3月にすかいらーくの会長に復帰し、経営改革に乗り出すと株価はじわじわ上昇し始めた。同時にMBO後を見据えて、経営計画を立てた。2年間は赤字覚悟で不採算店舗の閉鎖、不採算事業の売却、業態転換などを推進。3年目に収支をトントン、4年目に黒字化、5年目の決算で再上場というプランだ。

 ガスト、バーミヤンなどブランド別に採算の責任を持ってもらうカンパニー制を導入。そして「人材の再教育、商品開発もやり直し、楽しい店作りをやるぞ」と社内に訴えた。

 株価も2000円を超えた。「機は熟した」。6月に決断し、約2700億円に及ぶMBOを実施した。

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