するとメーンバンクだったみずほ銀行の担当者が飛んできた。「もはやすかいらーくでは保証できませんし、ご兄弟の担保では足りません。銀行としては4人の皆様に貸したつもりなので、あなたの分も…」。私はジョナサンの社長だったので、すかいらーくの保証をしておらず、債務が少なかった。仕方がない。ぼろぼろの外研に兄弟の債務を付け替え、私の担保を入れた。

一息ついたと思ったが、すかいらーくの業績は思わしくなく、ついに株価は1200円にまで落ち込んだ。すると銀行は「どうするのですか」と再び責め立ててくる。とにかくすかいらーくを抜本的に立て直さない限り、将来性はない。

そこで証券会社の知り合いに相談したら「いったん株式を非上場にして3~5年後に会社を立て直して、再上場するプランがある」と聞いた。いわゆるMBO(経営陣が参加する買収)案だ。

これならば、債務問題の解決とすかいらーく再建の両立が可能になる。その知人の息子は英国の金融機関「CVC」にいて、基本プランも作ってもらった。早速オーナー会に提案すると「これはいける」と了解を得た。私がプランを作り、一番若い4男の紀夫にすかいらーくの社長をやってもらおうと提案した。

だが紀夫は自分の会社で手いっぱいだという。そこでまた、社長のお鉢が私に回ってきた。かつてのようにはしごを外されかねない。気が進まなかったが、なり手もなく、私が前面に出ることになった。

[日経MJ(流通新聞)2016年11月4日付]

※「暮らしを変えた立役者」は金曜更新です。

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