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スターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEO

スターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEO

スターバックスコーヒージャパン(東京・品川)の進化が止まらない。コーヒー体験を高める「リザーブ・バー」、地域の名所に入り込む「ランドマーク店舗」などカフェの領域を超えている。ルイ・ヴィトンやロエベを経験した水口貴文・最高経営責任者(CEO)は「ブランドの広がりと深さを追求したい」とプレミアム型拡大戦略に余念がない。

1杯ごと作る 若者には新鮮

――1杯1杯作り、コーヒーを提供する新型店舗のリザーブ・バー。飲み方で市場を広げる段階に進化したのですね。

「1杯1杯入れる喫茶の文化は、今の若い人たちは知りません。それが新鮮に映っているようです。早く出すお店もあっていいし、場所や状況によって違うコーヒーの体験をみせるのは大事です。ゆったりとした時間で、多少価格は高くても、もっと深いコーヒー体験を提供していきたい」

「リザーブ・バーの中心的な担い手は(高いコーヒーの知識を持つ)ブラックエプロンのバリスタです。試験は年1回で、今年は1万9千人受けて12~13%ぐらいしか受かりませんでした。私も2015年、16年に受けて不合格。17年にようやくとれました」

――昔からスタバで働くと、就職にいいと言われていました。

「大学4年間アルバイトをすると、コミュニケーション力が鍛えられます。一人一人がオーナーシップを持って自分で考えて動きましょう、と。それこそサービスのマニュアルがないので、お客さんが今何を求めているのかを考えます」

――採用もお店に任せてますね。

「そうですね。(本社の)我々には全く権限がない。頼まれても何もできません。完全に権限委譲したことが、文化を作っています」

――独自の店舗も増えています。

京都にスターバックスでは世界初となる畳に座ってコーヒーを飲める店舗を出した

京都にスターバックスでは世界初となる畳に座ってコーヒーを飲める店舗を出した

「京都には畳でコーヒーを飲めるお店(京都二寧坂ヤサカ茶屋店)を、鹿児島では世界遺産が園内にある、島津家由来の仙巌園に出店しています。来年12月には焙煎(ばいせん)機付きの大きなお店を東京・中目黒に作ります。そこには優秀な子たちを集めたい」

――地元が仙巌園への出店をよく認めてくれましたね。

「仙巌園は鹿児島のある店長が電話して、ここに作りたいと掛け合ったんです。桜島が見える場所にスタバができると鹿児島の人たちは誇りに思うと。世界遺産に登録されると、よそに取られちゃうんじゃないかと、いてもたってもいられなくて電話したそうです」

「地域のランドマークに店を出すことで、スタバが何を目指しているかを知ってもらい、街中の人に来てもらう。そんな循環を作りたいんです。松山市では坊ちゃん列車ミュージアムに併設する場所に出店しています。体験価値を売る会社なので、どのくらい体験で振り切れるか。普通のことをやっても驚きがないので、突き抜け感を一つ一つ出すことを意識しています」

――今後はどんな形で出店していきますか。

「ドライブスルーが3~4割、通常のお店が4割ぐらい。特徴のあるお店が2割ぐらい。都心部はまだ混んでいるので出店余地は大きい。地方も出店していない地域が多く、ドライブスルーも混んでいます。米国は店舗で飲むのが3割ぐらいですが、日本は7~8割。滞在型なんですよ。顧客満足度を高めるためにも店舗を増やしていかないといけません」

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