2018/4/20

暮らしを変えた立役者

最終的には証券会社の社長、専務、弁護士を相手に東京・新宿のヒルトンホテルで交渉した。まず当社の財務担当役員と証券会社の専務が話し合っているが、話がかみ合っていない。そこで「責任を持つと言って勧めたのだから、約束通り引き取るべきだ」と迫ると、証券会社の社長は「聞いていない」という。

当の専務はうなだれていた。社長は状況を察して「分かりました。当社が悪いようです。払います」と語った。契約上の延滞金利は14.5%だったが、それよりも低い市中金利で妥協した。

時間は午前0時を回っていた。「さあ終わった。残務は明朝」と話したら、証券会社側は「当局に報告する必要があり、契約書を今晩中に作りたい」と言い、その夜に全て契約した。

相手は事態収拾を急いでいたので、こちらの強気の交渉が通ったのだと理解した。コスモ証券はその後、金利分と併せて全額を引き取り、すかいらーくに返済した。

バブル期の1つの失敗は回避できた。だが4兄弟で抱えたもう一つのツケはこれでは済まなかった。これがMBOへつながっていく。

[日経MJ(流通新聞)2016年10月28日付]

※「暮らしを変えた立役者」は金曜更新です。