――渋谷以外でも、子育て世代、高齢者らが共生する街づくり「世田谷中町プロジェクト」をスタートさせましたね。

「若い共働き夫婦から年配の世帯まで色々なライフステージ、ライフスタイルの方々を集めたい。(分譲マンションのほか)シニア住宅、保育園、訪問介護サービスもある。シニア住宅に移る人には、今の住まいを買い取る制度も用意しました。キーワードは渋谷と同じ『交流』。単身世帯がこれだけ増えると、幅広い世代が交流できる仕掛けを用意し、魅力的な街にしていきます。今後は横浜などにも広げていきます」

――ホテル事業では今春、旧軽井沢ホテルを買収しました。狙いは。

「インバウンドを含めて少し上のクラスのお客様に来ていただけるような施設にします。東京五輪を契機に少し所得の高い層も相当日本に来ると思います。細かいところに気づいてくれる、と感じてもらえるホスピタリティーが強みです。ロボットが応対するホテルもありますが、我々はその真逆を目指します」

(聞き手は大岩佐和子)

大隈郁仁
 1982年(昭57年)横浜市大商卒、東急不動産入社。13年東急不動産ホールディングス取締役、15年社長。優勝がかかった試合観戦のために広島に向かうほどの大のカープ党。2年連続のリーグ優勝に歓喜している。広島県出身。59歳。
オフィス賃料市況好調
 東急不動産ホールディングスの2017年3月期の連結売上高は前の期比1%減の8085億円。ビルの売却が響いたが、経常利益は13%増の636億円。オフィスの賃料市況が引き続き好調なうえ、分譲マンションの売れ行きもいい。東急プラザ銀座の開業効果も収益を底上げしている。
 ただ不動産市況の好調がこのまま続くかどうかは不透明。次の収益の柱の育成が欠かせず、その候補の1つがホテルやシニア住宅などのウェルネス事業だ。サービス付加型の新しい不動産ビジネスをどう伸ばすかが今後の成長のカギを握る。(加藤宏一)

[日経MJ2017年9月25日付]

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