――高層ビルばかりできると、渋谷らしさが失われませんか。

「いえいえ。駅の周辺はきれいになって、ハチ公前交差点は今よりも少し広くなりますが、そこからセンター街はほとんど手をつけません。一歩裏の商店街や飲み屋街は基本的に残ります」

「渋谷に来る人たちはうまく使い分けてますよ。若者はセンター街を歩き、サラリーマンはオフィスへ。徒歩圏内には住宅地もある。丸の内や日本橋と違い、色々な人たちが入り交じる良さは壊さないようにしたい」

街づくり、表参道・代官山などと連携

――19年開業予定の「南平台プロジェクト」など、オフィスが随分増えるようですね。

「渋谷ヒカリエ」には、現在取り組んでいる渋谷の再開発の完成模型を展示している

「渋谷は00年前後にITベンチャーが集積する『ビットバレー構想』を打ち出し、多くのベンチャーやコンテンツ企業が集積しました。24時間食事ができて、終電後も歩いて家に帰れる。そんな環境なので、クリエーターやコンテンツ産業で働きたいという若い人が今も集まってきています」

「でも、企業規模が大きくなると、みんな六本木(ヒルズ)や品川に出て行ってしまう。オフィスが足りないからです。そこで、渋谷でスタートアップした企業が、大企業になっても、そのままいられる環境をつくりたいと、今回の再開発計画に盛り込みました」

――もう六本木ヒルズには奪われたくないと。

「そうです。IT業界では、LINEのように小さな会社がある日突然、大きくなる。ですから1、2人用から、大規模なオフィスまで、フルラインアップでそろえます。地方から出てきた若者はまずは渋谷に、という流れができれば、街の活力につながります」

――表参道や代官山などと街づくりで連携を進めていくそうですね。

「青山と代官山、表参道、神宮前、それから恵比寿。渋谷を中心にぐるっと円を描く広域エリアで魅力を高める仕掛けを考えています。たとえば、お祭りとか。渋谷で育った人たちがネットワークを持っているので」

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら