ボリューム満点、沖縄のアメリカ食 肉もタコライスも
戦後、米軍統治下に置かれていた沖縄の施政権が日本に返還され、沖縄県が誕生したのは1972年のことでした。27年間の長きにわたって沖縄は日本から切り離されていました。返還前の沖縄の通貨は米ドルで車は右側通行。日本から沖縄に行くには旅券が必要でした。
それは食文化にも大きな影響を与えます。前回、ご紹介したように、本土の食の変化が伝わらなかった沖縄では、日常食が独自の発展を遂げることになります。ボンカレーのパッケージ写真がいまだに松山容子さん。といってわからなければ「琴姫七変化」。もっとわかりませんか?
そしてもう一つがアメリカの影響です。例えばブルーシール・アイスクリーム、スパム、ルートビア。
沖縄のレストランでステーキを注文すると、巨大な牛肉の塊が登場します。これを筋骨隆々の米兵がワシワシ食べているのです。いやいや日本人も果敢に挑戦しています。
大衆食堂にはA定食とかB定食とかのメニューがありますが、これがステーキにハンバーグにフライドチキンにベーコン、といった具合で超高カロリーなのです。私は男性同僚と2人で挑んだものの、撃退された経験があります。これも米兵向けのメニューでしょうか。
忘れてならないのがメキシコの国民食、タコスと日本のご飯が出合ってできたタコライスです。番組では元祖の店が登場します。
アメリカのテーストが漂う沖縄の食文化を堪能してください。
(食と旅のコラムニスト 野瀬泰申)
「知る食うロード~発見!食の景観~」は、全国各地の食材や料理を探索し、秘められた物語や歴史を丸ごと「景観」として発見する番組です。これまでの旅、グルメ番組とは一味違った視点で日本を巡ります。BSジャパンで、毎週土曜日夕方6時から放映中。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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