チャンポンに麺はなし 沖縄の大衆食堂メニューに驚く
沖縄(ウチナー)の食文化は本土(ヤマト)と様相を異にしています。中国と薩摩藩への両属の歴史を持つ沖縄は、昔から豚を中心として肉食への禁忌がありませんでした。それどころか沖縄の正月は豚正月とも言われ、雑煮は食べないのです。そして戦後は長く米軍の統治下にあったため、本土の食生活の変化とは無縁でした。
初めて沖縄を訪れたとき、大衆食堂ののれんに染められた文字に見入りました。そこには「冷やし物一式」とあったからです。関西の昭和レトロな食堂では「丼物一式」の文字をよく見るのですが、ここにも亜熱帯に属する沖縄の独自性が表れています。
そんなわけで、沖縄の大衆食堂では名前は本土と同じでも全く別のものが出てくることが多いのですが、個別に説明すると番組のネタばれになるので、ここでは控えます。
私のコメントの一部を紹介すれば「沖縄ではチャンポンは麺類ですらありません」。
(食と旅のコラムニスト 野瀬泰申)
「知る食うロード~発見!食の景観~」は、全国各地の食材や料理を探索し、秘められた物語や歴史を丸ごと「景観」として発見する番組です。これまでの旅、グルメ番組とは一味違った視点で日本を巡ります。BSジャパンで、毎週土曜日夕方6時から放映中。
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