サケとイクラのはらこめし ミシュランガイドにも登場
東日本大震災の翌年、水戸から八戸まで被災地の太平洋岸を北上する旅をしました。宮城県亘理町に行くと、津波を免れた地区で「はらこ飯」の看板をいくつも見ました。もちろん、当時はどの店も営業していません。サケ漁が盛んだった亘理町の郷土料理、はらこめしは幻の食べ物になっていました。
震災から7年がたち、復興が進むとともに、はらこめしも復活しました。本当にうれしいことです。
この料理は簡単に言うと、サケの身をしょうゆ、みりん、酒などでこしらえた割り下で煮ます。その割り下を薄めたものでご飯を炊くのです。サケのうま味がしっかりと染み込んだご飯を器に盛って、煮たサケの身と「はらこ」、つまりイクラをのせてできあがり。
どうでしょうか。おいしくないはずがありませんね。いやいや、たまりません。
番組ではメスのサケを使ったものと、オスを使ったものの両方が登場します。味を想像しながら、そしてお腹を鳴らしながらご覧下さい。
(食と旅のコラムニスト 野瀬泰申)
「知る食うロード~発見!食の景観~」は、全国各地の食材や料理を探索し、秘められた物語や歴史を丸ごと「景観」として発見する番組です。これまでの旅、グルメ番組とは一味違った視点で日本を巡ります。BSジャパンで、毎週土曜日夕方6時から放映中。
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