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梶原しげるの「しゃべりテク」

キャラを印象づける「役割語」 強い語感はこう作る

2018/3/8

記者会見をテレビで見て、感想をネットに書き込む人は珍しくない(写真は平昌五輪メダリストらの記者会見)

このところ「会見観察人」というブログを書くためにテレビやインターネットで「会見チェック」を勝手にやっている。こういうことを「趣味」にしている「同好の士」がどれほどいるのかとパソコンをチョコチョコやると、私なんかまるで及ばないほど熱心に会見のやり取りを吟味し、コメントを投稿している方々がいた!

それらは私の「なまくらな感想」とは違い、激しく強い。まるで投稿者同士で「コメントの強さ選手権」を戦っているようにも見える。「ターゲット(会見者)」に一番強いダメージを与えられそうな言葉を投げかければ「勝ち!」みたいな勝負。

「梶原は、いまさら、何を言っているんだ?! ネットの掲示板の書き込みなんて、昔からそんなもんさ」

まあ、そういうものなのだろうが、私は彼らのコメントの「強さのヒミツ」をさぐり、それが「『役割語』と関係があるのでは?」という結論に達した。

「え? 役割語?」

■「役割語」はテレビのせりふ字幕でおなじみ

話がいきなりあらぬ方向に飛んで恐縮だが、「役割語」とは「ある特定の言葉づかい・語彙・語法・言い回し・イントネーション等」を聞くと、特定の人物(年齢、性別、職業、階層、容姿・風貌、性格等)をイメージできる言葉(金水敏・大阪大学大学院教授著『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』ほかから引用)をいう。

この「役割語」について最初に話を聞いたのも、まさに金水先生の10年ほど前の講演だった。北京オリンピック陸上短距離で大活躍したウサイン・ボルト選手の言葉で、英語の同時通訳なら素直に「私はウサイン・ボルトです」と訳すところを、テレビ各局が報じた「インタビュー翻訳テロップ」では「俺が、ウサイン・ボルトだ!」「僕がウサイン・ボルトさ」など、様々な「工夫」を凝らした。これも一つの「役割語の活用」というようなお話だった(と記憶している)。

「ああいう人たちは多分こういう話し方をするんじゃないか?」。人の「役割」から自然にイメージする話しぶりだ。

「そういうのって、あるよなあ!!」と私がそのとき、頭に描いたのは、かつて担当していた「UFO番組」で使用する、アメリカの片田舎、年老いた農夫が「UFOらしきモノ」を発見したときの映像だ。

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