アシックス=部活用品のイメージ、五輪で変えたいアシックスの尾山基会長兼社長

――欧州でうまくいっているのはなぜですか。

五輪を機に新たなブランドイメージを発信するため、直営店事業を強化していく(東京・銀座)

「日本は過去の歴史がありますが、海外はまっさらなキャンバスのような状態でした。競技ウエアから、スポーツを楽しむ人向け、街着まで、ブランドイメージが浸透しやすい。ラグビー用品では豪州や南アフリカなどのトップチームに採用されていますが、現地ではラグビーだけでなく、サッカー選手にも愛用者が広がっています」

――東京五輪のスポンサーとなって、どうビジネスに生かしますか。

「日本では、学校体育ですり込まれた負のイメージを変えていきたい。国内売上高は実質800億~900億円程度ですが、ナイキ、アディダスは全盛期に日本だけで千億円を超えました。レプリカとかを出すので瞬間的には大台には届くでしょうが、安定的に大台を維持したい。スポンサー料はマーケティング投資とみています。社内からは『やらないと後悔する』との声もありました」

「五輪では、スポーツクライミングや(バスケの)スリー・オン・スリーなど新たなスポーツに注目しています。クライミングはかつて製品を作っていました。市場は小さくても世界で活躍する日本人選手もいるし、ブランドイメージを刷新する好機とみています」

競技用で培う 技術力が強み

――表彰台に上がるトップアスリートに使ってもらうと、利用者が広がりますね。

「ストリートとかカジュアル向けの市場は、スポーツをやっている人向けの2倍以上。ナイキは80年代から、アディダス、プーマも取り組んでおり、五輪スポンサーになったのを機にさらに力を入れていきます」

――スポーツ衣料には最近、アパレル企業が多く参入しています。

「我々はブランドをいくつも展開しません。自信があるのは競技用スポーツで培った機能やノウハウ。腕を上にあげてもシャツの裾が出ないとか、吸湿性や保温性なども素材を自前でつくってきたという強みがあります。もちろん、こうした機能性もデザインが伴ってこそなので、デザイナーと連携していきます。ただ、原点はスポーツ用品。相手は米GAPとかではありません」

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