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大企業でちやほやされた役職者はその扱いに慣れてしまいがちだ =PIXTA

大企業でちやほやされた役職者はその扱いに慣れてしまいがちだ =PIXTA

人生100年時代が現実味を帯びてきて、「老後にいくら必要なのか?」といった話を聞くことが増えました。もちろんお金は重要であり、たくさんあったほうがいい。しかし、金だけで人生は決まりません。なかには別のモノが「ありすぎる」せいで人生を失敗する例もあるようです。そんな夫婦の話をご紹介しましょう。

夢にまでみた「夫婦でのんびり田舎暮らし」に大失敗したご夫婦がいます。その原因はバリバリの仕事人間だった「元大手家電メーカー部長」の夫でした。

早期退職に思い切って応募した元部長は、奥さんの実家が土地・屋敷を持つ田舎に引っ越しました。小さいながら庭付きの自宅、そして野菜を育てる農園スペース。元部長は近所の工場に再就職も決まりました。これで金銭的にも心配なく、静かな環境も申し分なし。待ち望んだ老後生活のはずでした。

元・大手家電部長の孤立 こじらせた「重役病」

しかし、その崩壊は思わぬところからやってきました。なんと彼が地元の人たちから嫌われ、仲間はずれにされてしまったのです。

奥さんは転居してすぐご近所の輪の中に入っていき、友だちを増やし始めました。一方の元部長は地元に全くなじめない。勤務先の工場でも若い従業員とうまくいかない。夜、一緒に飲みに行く仲間もいない。毎日、イライラして不機嫌に過ごすうち、引きこもり同然になってしまいました。

あっという間にご近所とまったく口をきかない状況に陥った元・部長。奥さんは自分だけ楽しむわけにもいかず、頭を抱えます。

ある日、「あなた、どうしてご近所の人たちにあいさつしないの?」と思い切って尋ねた奥さん。すると、夫のあまりに予想外な回答にあぜんとして言葉を失ったそうです。

夫はこう答えました。「だって、向こうがあいさつしてこないから」。

わかる人にはわかると思いますが、こういう「お偉いさん」って、結構多いのです。「お偉いさん」が出来上がる理由は単純にして明快。「持ち上げる人」がいるからです。

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