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売り場の知恵袋!セレクション

富裕層をオーラで見抜く 高級時計、抜群に売る選球眼 シチズン時計 高田正樹さん

2017/12/27

百貨店の外商と顧客回りをした経験が生きているという高田さん

 東京・銀座に4月にオープンした「GINZA SIX」に入るシチズン時計の旗艦店「シチズン フラッグシップストア 東京」。数万円~40万円程のシチズンブランドに加え、M&A(合併・買収)などで取り込んだ傘下の海外ブランドの商品も並ぶ。最高級品は税別2220万円という海外ブランド腕時計の販売責任者を務めるのが高田正樹さん(38)だ。

 「シチズンに来てくれないか」。オープンの約1年前、外資系の高級腕時計店で働いていた高田さんのもとをシチズンの担当者が訪ねてきた。自前のブランドに詳しい販売員は多いものの、海外ブランドの知識や数百万円以上の商品の販売経験を持つ人材がシチズンには少なかった。

 銀座の旗艦店はシチズンブランドを核に複数の海外ブランドを展開する「マルチブランド戦略」の最重要拠点の一つ。その売り場を託す人材として、高田さんに白羽の矢が立った。

 「商品を実際に手に取ってもらい、興味を持ったところを説明するようにしています」。ご託を並べたり、無理に薦めたりすることはなく、高田さんの販売スタイルは和やかだ。客の視線やしぐさをさりげなく観察し、ここぞのタイミングで声をかけたり、詳しく説明を始めたり。海外ブランドの販売実績はトップ。全スタッフの中で客単価が最も高く、期待にたがわぬ活躍をみせる。

 「ブローバ」「フレデリック・コンスタント」といった海外ブランドが並ぶなか、高田さんが主に扱う「アーノルド&サン」は「超」が付く高級腕時計。年間生産本数は世界で数百本。機構や装飾のこだわりは別格だ。中心価格帯は400万~500万円。2000万円以上の逸品もある。

 高級車や家さえも買える価格のため、簡単に売れる商品ではない。強みは過去に百貨店の時計店で外商と一緒に顧客回りを担当した経験だ。時計に関心のない人から、マニアと呼べるほどの時計好きまで。興味を示さなければ無理にしゃしゃり出ず、話を振られれば期待を超える説明や商品提案をし、数百万~数千万円の腕時計を売り上げてきた。

 この経験が今の職場でも生きている。「知る人ぞ知る」という「アーノルド&サン」は希少価値が高い一方、時計好きにもマイナーな存在。販売につなげるにはほかのブランドの3倍ほどの接客時間が必要になる。それでも「ものづくりとしては確かな品。その熱をお客様に伝えて知名度を高めていきたい」。

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