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自宅で働ける魅力を語り合う、「ECCジュニア」のホームティーチャー、河部知賀子さん(左)と細井万裕さん

自宅で働ける魅力を語り合う、「ECCジュニア」のホームティーチャー、河部知賀子さん(左)と細井万裕さん

自宅で家事や子育てをしながら、働きたいというニーズは強い。子どもの英会話・学力養成教室を展開する、ECCの「ECCジュニア」。ホームティーチャー(HT)が自宅などを活用して英語を教えるとともに教室も運営する。HTの河部知賀子さん、細井万裕さんに実際の働き方を聞いた。

子育て・介護との両立も 好きな英語を仕事に

――ホームティーチャーになったきっかけは。

細井 大学の英文科を卒業後、一から英語を学び直したいと米国に留学し、卒業後も就労ビザを取得して12年間、ニューヨークで過ごしました。結婚して2歳の娘を連れて帰国したのが5年前。小さい子どもを抱えての就職活動は難しく、得意の英語を生かしながら子育てと両立できる仕事を探したところ、ECCのHTを知りました。

河部 中学時代にビートルズにはまったのをきっかけに英語が大好きになり、英語の専門学校を卒業後、大手自動車部品メーカーに就職。国際関係の仕事をしていましたが、出産を機に退社しました。しばらくは家業の手伝いをしていたのですが、父が要介護状態になり母を手伝いながら比較的時間が自由になる仕事を探していたところ、夕方からでも仕事ができるECCを知りました。自分のスタイルに合ったのでHTになることを決めました。

――どのように教室を運営していますか。

細井 2013年8月愛知県安城市内の自宅で開講しました。開講当初は生徒募集に苦労しましたが、今では45人の生徒がいます。18年4月、市内のECCジュニアの教室がない地域に分教室を開講する予定です。

河部 1997年に開講してちょうど20年になります。愛知県知立市にテナントを借り、愛知県刈谷市の自宅から通う形で始めました。17年4月から自宅でも開講し、生徒は合わせて105人になります。

――それぞれのワークスタイルの良さと、苦労されていることはありますか。

河部 今は自宅でも教室を持っていますが、長い間、通いでしたので自宅だと移動がないことがこんなに楽なんだ、と実感します。その半面、リラックスし過ぎないように生活をピシッと正すようになりました。通いの場合は、通勤は手間でも日常と切り替えができて、かえって授業にフォーカスできます。オープン当初からECCのスタッフの方がしっかり指導してくれたので、生徒集めから教室運営までとてもスムーズにいっています。

教室運営には家族の協力も欠かせません。かなりがむしゃらにやってきたので休みが全然取れない時期もありました。そういうときには、小学校高学年になっていた娘に週2回食事当番を引き受けてもらったりもしました。自分の都合に合わせ、休みを設定しやすいのも魅力です。17年の夏は休みをまとめて、4週間、英国旅行をしてきました。

細井 長期の休みが計画的に取りやすいのは魅力です。私もこの夏、2週間、ニューヨークに行ってきました。

私も家族の協力なしには教室運営はできません。授業が終わる時間が遅いときなどは子どもの勉強などをなかなか見てあげられませんが、だんだんと自分でできるように成長し、塾にも1人で通い、宿題も自分でこなしています。娘が学校の国語の授業で「お母さん、夜遅くまで働いてくれてありがとう」と書いた文章を見せてくれたときは、わかってくれているんだと涙が出ました。

18年からは分教室も開講します。副講師の方とも協力して進めていきたいと思います。自宅でもテナントでも自分で時間をアレンジできる余地が大きい仕事ですので、自分に合ったワークスタイルを選べるところが魅力だと思います。

やる気を引き出す工夫 生徒の成長にやりがい

――どのような教育方針で臨んでいますか。

細井 とにかくほめます。子どもが複数いると、どうしても子どもたち同士で比べ合います。どの子にも必ずいいところはあるので、スピーチの際の表現力、発音が良くなったことなど、一人ひとりを見て声をかけます。そうすると少しずつ自信がついて英語が自然と好きになり、ほめられるから来るのが楽しい、こうやればもっとできるかもと工夫するようになり、好循環が生まれ授業の取り組み方も変わってきます。その姿にとてもやりがいを感じますね。

河部 何か喜ばせてあげることを大事にしています。あとは自分で学ぶ姿勢です。ECCはホームワークを重要視するカリキュラムなので、これを徹底させています。宿題を持ってくるのを忘れたり、やっていない場合には、親御さんに連絡を入れて持ってきてもらったり、教室で必ずやってもらいます。そうすることで結果的に理解が進み、授業が面白くなり、成績にも結びついていくのです。ぶれずにその姿勢を貫いていることが実績となり、並行して他の多教科の塾に通う生徒も多い中、「あそこの英語だけはやめない方がいい」と評判になっていると聞きます。本当に光栄に思いました。

――HTになるまでの経験を生かせますか。

河部 かつての職場で、英語で対応していたことがそのまま生きています。同じ英語を使いながらの仕事なので、ずっとつながっている気がします。

細井 海外で苦労したこと、特に自分の英語が通じなかったり、聞き取れなくて苦労した経験を生徒たちへの教育に生かしています。外国人の教える発音と日本人の発音はやはり違います。自分は22歳でそれに気付いたけれど、できるだけ早くそれを実感させたい。どうやってその壁を克服したか等、時間はかかるけれど小さい子どもたちにも伝えています。とても興味を持って聞いてくれます。経験はすべて生かされています。

長く続けられる仕事 充実のサポート体制

――毎年行われるHT向けの研修やサポート体制についてはいかがでしょう。

細井 私は研修が一番好きです。英語教育の最新動向を受け身で教えていただけるので、すぐに生徒や保護者に伝えられるのがありがたいです。研修では少人数のグループに分かれることが多いので、教え方やハロウィーンやクリスマスパーティーなどのイベントのやり方などの情報交換ができるのもうれしいです。イベントを充実させることは生徒募集にもつながりますので。ベテランの先生に子育ての悩みや、仕事との両立についての相談もでき、具体的なアドバイスをいただけるのも貴重な機会ですね。

河部 教室を飛び出して街を練り歩くハロウィーンなどのイベントは近所に情報を発信するとてもいい機会になるのです。ここにECCがあるのかと知っていただくきっかけにもなるので。パーティーなどを企画すると年1回、ネーティブの先生を派遣してくれる制度もあり、大いに活用しています。

――改めてHTの魅力を。

細井 両親共働きの家庭で育ったこともあり、女性が出産後も働き続けるということは私にとってとても自然なことでした。女性が社会と関わっていくことは自分の成長に必要であるということを強く感じており、働くことが生きがいです。働きながら、子どもたちの成長が見られる、人が喜ぶ顔を常に見ることができる。これが自分にとって一番大切なものです。HTになって、生徒の顔を見れば家庭や学校で何があったかもわかるようになりました。自分の子や生徒がこれから歩んでいく中で、あの時、先生がこう言ってくれたと心に残るようなことが一つでも増えてくれたらいいなというのが私の生きがいと目標です。この仕事に出合えて本当によかった。

河部 子どもたちの成長が一番の楽しみです。巣立った生徒たちが、海外に留学したり、名門大学に受かったなどと報告に来てくれると、あの小さかった子がよく育ってくれたと心から思います。

この仕事は本当に長く続けられます。特にライフスタイルやライフステージに合わせて自分の働き方を決められるので、とてもお勧めです。私も2人の子どもを留学させました。自分がHTでなかったら収入面でも難しかったでしょう。自分に合った働き方できちんと収入を得られるのもとても魅力だと思います。

(おわり)

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