飲食店情報サイトのぐるなびと食をテーマに様々な調査・研究を行うぐるなび総研は4日、2017年を代表する飲食メニュー「今年の一皿」に鶏むね肉料理を選んだ。
鶏むね肉は、高たんぱく低脂肪というメリットはあるものの、脂質が少ないため、加熱すると硬くなり、パサつきやすいことから、もも肉に比べ人気が劣る面があった。しかし、ここ数年で塩こうじに漬けたり、真空低温で調理するなど技術の発達で、軟らかくしっとりと食べられるようになった。特に2017年は、たっぷりの野菜・果物に肉類を合わせて主食にする新しいスタイルのサラダの需要が伸び、コンビニなどでもサラダ用の食材としての注目度が高まった。そうした点が受賞の理由だ。

「今年の一皿」は2014年にスタート。これまで、ジビエ料理(2014年)、おにぎらず(2015年)、パクチー料理(2016年)を1年を代表する料理に選んできた。
ぐるなび掲載店が発信する一次情報と、それを利用するぐるなび会員の閲覧履歴や行動履歴をビッグデータ化、検索数や検索上昇率などから40ワードを抽出、ここからぐるなび会員によるアンケート調査で30ワード、さらにはマスコミ関係者の審査を経て鶏むね肉ののほか「強炭酸ドリンク」「チーズタッカルビ」「日本茶スイーツ」「フォトジェニックサンドイッチ」「Neo日本酒」の6つのノミネートワードに絞り込んだ。

受賞のためにステージに上がったのは、県別の肉用若鶏の出荷羽数が日本一(「食鳥流通統計調査(平成26年)」参照)という鹿児島県の三反園訓知事。「9月に開催された、全国の和牛の王座を決定する『全国和牛能力共進会』でも鹿児島の和牛がナンバーワンに選ばれた、鶏むね肉とともに鹿児島の食を全国、世界にアピールしたい」と喜びを語った。
また、鹿児島県で鶏肉の生産を手掛けるナンチクファームの北野良夫社長は、かごしま黒豚、鹿児島黒牛に続いて、2011年から本格的な出荷がスタートした鹿児島の地鶏『黒さつま鶏』を「『3つ目の黒』として売り出していきたい」と語った。