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中部支社300人の美容部員から「ビューティパワーステーション」に選ばれたのは国松さんだけ

中部支社300人の美容部員から「ビューティパワーステーション」に選ばれたのは国松さんだけ

花王が直営する化粧品ブランド「ソフィーナ」の旗艦店「ビューティパワーステーション」(東京・中央)。接客を担当する国松美希さん(28)は顧客との会話から肌の悩みを引き出し、ニーズをくみ取る達人だ。顧客自身が美容の課題に気づくことをサポートしながら、1人1人に最適のスキンケアを提案する。

「ハワイによく行かれるんですか。日差しが強いのにお肌の色は明るいですね」。水分や弾力を測る装置を顧客の肌に当てながら優しく語りかける。週末は1日50~60人が訪れる旗艦店。こなす接客の数も求められるなか、国松さんの口調は控えめ。押しつけがましさはみじんもない。

2009年、花王の国内販社の中部支社に入社した国松さんは最初の6年間、愛知県内のソフィーナ販売店6カ所を渡り歩いた。化粧品の販売では本来、時間をかけて地域の顧客と信頼関係を築くことが求められる。自ら望んだものではない異動を繰り返すなか、「短時間の会話から顧客のニーズを推し量る、コミュニケーションの重要性とノウハウを学んだ」。

近年、不振のスキンケアを立て直す「化粧品の大改革」を進める花王。15年11月にオープンしたビューティパワーステーションはその戦略を担う初の旗艦店だ。肌質検査などのテクノロジーを駆使した2時間程度のカウンセリングを柱に据え、全国から選抜した11人の美容部員を配置した。接客力の高さを見込まれた国松さんは300人以上いる中部支社の美容部員でただ1人選ばれた。

接客時に国松さんが最も気を使うのは「ダイレクトな質問を投げかけないこと」だ。洋服などを買い物に出掛けたとき、「何かお探しですか」と販売員から尋ねられることに自身もストレスを感じていた。化粧品も「肌のお悩みは何ですか」と最初から尋ねれば、顧客は尻込みしてしまう。

「汗ばむ陽気になりましたが、最近どこか行かれましたか」

「乾燥はお肌の大敵ですがオフィスの空調はどうですか」

何気ない質問を重ねながら、外出の頻度や職場環境、食生活など顧客の肌質に影響を与える要素を聞き出す。「お客様自身が肌の悩みの原因に気づくお手伝いをする」ことに神経を注ぐ。

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