朝に手早く使えるコーヒーメーカー
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風味と使いやすさ両立
新生活に備えて購入を検討する生活家電の一つがコーヒーメーカーだ。使う機会の多い朝食時、慌ただしい中で手軽においしいコーヒーを味わえる機種はどれか。専門家が実際に操作や試飲をし、洗う手間や給水のしやすさ、価格なども考慮したうえで選んだ。
最近増えているのが、真空二重構造のステンレス製保温ポットを使った機種。従来のガラス製ポットの底をヒーターで温めるタイプは長時間保温すると煮詰まる。保温ポットは熱々ではなくなるものの、煮詰まる心配はない。10位内の半数がこのタイプだった。
1位も保温ポットを使った機種。販売元のメリタジャパン(東京都江東区)によると、一般的なコーヒーの飲みごろの温度は60~70度程度だが、この製品は抽出後2時間たっても72度という。さらに抽出時の湯の温度が90度以下にならないようにするなど豊かな味になるように工夫した。専門家からもコーヒーの風味を評価する人が多かった。
紙のフィルターに粉を入れて抽出する一般的なコーヒーメーカーと異なり、2位の製品は「カプセル」と呼ぶ専用容器に入った粉を使って1杯ずついれる。数杯分を4~8分かかっていれる他の機種と比べ、最初の1杯をいれる時間は1分程度で、2杯目からは数十秒で済む。1杯約50円と、一般的なレギュラーコーヒーの1杯十数~40円程度と比べるとコストがかかるが、素早さと手軽さは朝向きといえる。大きさも小さく省スペースで済む。
濃度など味わいをボタンやレバーで変えられる製品も多く、3、4、7位に入った。中でも7位の製品は3段階に濃度を調整できる。
実際に買う際は、マグカップで普段飲む人は必要な量が多いので注意しよう。家事アドバイザーの矢野きくのさんは「タンクの外し方や粉を入れるふたの開ける方向など自宅での置き方も考えながら機種を選んだほうがいい」と助言する。
エスプレッソマシンも顔ぶれ多彩
調査では普通のコーヒー用の機種を対象にしたが、エスプレッソ用マシンも売れ行きを伸ばしている。専門家などにおすすめを聞いた。その一つが、デロンギ・ジャパン(東京都千代田区)の製品。豆から全自動でいれられる本格タイプからエスプレッソ用の粉1杯分を不織布で円盤状に包んだ「ポッド」用など約15機種がある。
今回2位だった製品もカプセルを替えればエスプレッソをいれられるが、より多様に楽しめるのが、ネスレネスプレッソ(東京都港区)の「ネスプレッソ」シリーズ。エスプレッソだけで16種類の専用カプセルがある。
パナソニックも1日、通常のコーヒーとエスプレッソ、泡立てミルクの3種類を作れるマシンを発売した。
調査の方法 調査会社GfKジャパン(東京都中野区)が集計した全国家電量販店の販売データ、メーカーや選者の推薦などをもとに18社20機種を候補に選出。選者に試飲・試用してもらった。会場は東京電力のオール電化ショールーム「Switch!Station東京」。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
荒川正臣(石光商事東京コーヒーチーム)▽池上正子(料理研究家)▽池田修(日本カルチャー協会講師、コーヒーマイスター)▽川口葉子(ウェブサイト「東京カフェマニア」主宰)▽小林よう子(ヨドバシカメラマルチメディアAkibaプロダクト・スペシャリスト)▽戸井田園子(「オールアバウト」家電ガイド)▽本間美紀(ライフスタイルジャーナリスト)▽松本直志(ビックカメラ新宿西口店家電担当)▽安井レイコ(料理研究家)▽矢野きくの(家事アドバイザー)
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