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つい立ち止まりたくなる売り場作りを心がける寺島さん

つい立ち止まりたくなる売り場作りを心がける寺島さん

来店客についで買いを促す――。ココカラファインヘルスケアの寺島明日香さん(29)はそんな売り場づくりの名人だ。店長を務めるセイジョー矢向店(横浜市)では毎月入れ替わる売り場のPOP(店頭販促物)をすべて自作。立体感のある売り場を得意とし、1300店が参加する社内の売り場づくりコンクールでは常に上位に入る。

JR矢向駅を出てすぐの矢向店は売り場面積127平方メートル。コンビニエンスストア並みの小型店舗だ。店内に足を踏み入れた瞬間に数々のPOPが目に飛び込んでくる。

「かゆかゆシーズン到来!」

「夏はすぐそこ!準備はOK!?」

目を引くのは言葉だけではない。虫よけ商品を集めた特設売り場のPOPには蚊や蚊取り線香のイラスト。日焼け止めなどの夏物商品コーナーには水着の女性の後ろ姿の画像にヤシの木の模型や本物のビーチサンダルを貼り付ける。

ドラッグストアの来店客は医薬品や化粧品など購入する商品を決めていることが多い。寺島さんは「買うつもりはなかったのに思わず立ち止まってしまう売り場づくり」を目指す。

こだわっているのは立体感。POPをただ貼るだけでなく、飛び出して見えるように工夫する。天井からも関連する販促物をつるし、買い物客が意識せずとも目に飛び込むようにする。

全店共通のPOPもそのままでは使わない。拡大コピーして、ラミネート加工。段ボール紙にカラーコピーした画像などを貼り付け、大きく目立つ仕掛けに変える。例えば、虫よけ商品の売り場では緑色の草の画像を貼り付けて、買い物客に夏を想起させる。

メーカーから提供される販促物にもひと工夫。どうすれば、買い物客の目に飛び込むかに知恵を絞る。ポスターは壁面に貼り出すより、商品と一緒に買い物客の視野に入るようにする。化粧品であれば、CMに出ているタレントをポスターから切り抜き、商品のすぐ近くに貼る。

立体的な仕掛けとともにPOPに掲げる文言でも売り場の雰囲気は様変わりする。矢向店ではレジ近くでぷっと吹き出す来店客が多い。「アメちゃん集合!」とうたうアメ売り場のPOPがツボにはまったからだ。アメのことを「アメちゃん」と呼ぶ関西出身のエリア統括の上司。その場面が面白く、そのまま拝借したという。

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