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来店客の発するサインに絶えず目配りをしているという杉江沙紀さん

来店客の発するサインに絶えず目配りをしているという杉江沙紀さん

売り場に立つ販売員にとって、常連客をつくるために欠かせないのは信頼関係を築くこと。資生堂の化粧品の最高峰ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」の美容部員、杉江沙紀さん(27)にはなじみの顧客から「次の出勤はいつかしら」と問い合わせが相次ぐ。所属するのは西武池袋本店(東京・豊島)の1階の販売カウンター。抱える常連客の数はナンバー1だ。

顧客との信頼関係を築くため、杉江さんはいつも「見ること」を心掛けている。例えば、接客する際は「もっときれいになってもらうためにどうすればいいか」としっかり相手の顔を見る。そこでいきなり改善点を伝えることはしない。まずは自前のメークのうまくできているポイントを褒める。褒めることで心を開くことができれば、次の会話につながる。

自身の意見をはっきり言うのは色選びなどで顧客に迷ったそぶりが見えたとき。肌の色、見た目の印象などを踏まえ、自身が感じた通りに素直な意見を伝える。迷っているように見えても実際には答えが決まっていることは多く、その一言が背中を押す。

杉江さんを指名する常連客の来店が決まれば、過去に接客した際のメモを必ず見返す。「直近はどの商品を買ったのか」「どんな悩みを話していたのか」。細かい情報まで掘り起こし、「自分のことを覚えてくれていると喜んでもらう」ための準備に時間を割く。

子供の頃から母親の化粧品を使って遊んでいたという杉江さんはメークに関わる仕事に就くことが夢だった。高校生になってからはテレビCMが好きだったという資生堂の化粧品にあこがれて、百貨店などの化粧品売り場に足しげく通っていたという。

そんな杉江さんは念願がかない、2010年に資生堂に入社。グローバルブランド「SHISEIDO」を経て、11年から西武池袋本店の「クレ・ド・ポー ボーテ」に勤務している。日々、売り場で実践している接客の原点には自らが資生堂のファンとして体験した感動がある。

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