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食の豆知識

小鍋に二菜、旬をシンプルに 「一鍋二菜」のすすめ

2017/10/18

「ちょっと飲んで帰りたいなあ」そんな気持ちを抱きつつ家路を急いでいた10月はたそがれのとき、向こうから何かが道をやってきた。それは近所に住む友人だった。

「おお久しぶり」

「飲もうか」

「飲もうよ」

二つ返事でそのまま連れ立ち、私の行きつけへと向かうこととなった。

レタスと豚バラの鍋 サラダとは違うしんなりしたレタスの食感がくせになる

この行きつけ店を贔屓にする理由は数々ある。料理の好みが合う、酒の趣味がいい、適度にほっといてくれる。が、独酌好きにとっては「ほとんどの料理や酒をハーフサイズにしてくれる」ことが、かなり大きな理由だろう。ひとりで行っても刺身、揚げ物、野菜に肉。ビールに日本酒、サワーにワインと好き勝手な夜を過ごせる。

もちろん鍋も、小鍋仕立てである。季節のうまいもんをふたつみっつ、上等なおだしと、香り高いポン酢。ふんわり煮上がったところを「あちち」と頬張り、差しつ差されつゆるゆる飲む。ああ、秋の夜長にこんなにふさわしい光景もあるまい。

鍋というと今までは、大勢で食べるものというイメージがつきものだった。CMなどでも「仲間たちと大勢で囲むあったか鍋」とか「一家団欒、湯気の向こうに家族の笑顔」などの、絵に描いたようなしあわせの光景がセットで付いてきたものだった。

渡り蟹とシシトウのカレー鍋 体が温まる刺激的な味

だが今どきの鍋は、もっと少人数で食べる方向へシフトしている。その証拠のひとつが、コンビニの一人鍋だ。レンジで温めるだけで熱々鍋が食べられるとあって、高齢者にも大人気。非常によく売れているという。

また市販の鍋スープの素にも異変が起きている。今まで鍋スープ市場では4~5人前が一般的だったが、数年前に出現した1~2人前の鍋スープの素が大ヒット。今では種類も増え、各社とも新製品を次々と繰り出している。

その背景にはまず世帯の構成人数が減ったことが挙げられる。何しろ今や単身者世帯は全体の34.6%、夫婦や親子などの2人世帯を足すと63.6%にもなる(平成27年の国勢調査による)。鍋のためにいちいち友達を呼ぶのもわずらわしいし、そもそも大きな鍋など持っていないのが当たり前だ。

タイしゃぶ 魚のしゃぶしゃぶは刺身を買ってくればすぐできる

たとえ家族の人数が多くても「みんなで鍋」はなかなか難しい。塾に行く子どもには先に食べさせなければならないし、もう一人の子どもはバイトでいない。親は残業もあるし、いつも決まった時間に帰ってこれるわけではない。となると家族が揃って鍋を食べるなんてのは、月に一度あるかどうかだったりする。鍋を取り巻く情景は、激変していると言っていい。

そこでオススメしたいのが、鍋のダウンサイジングだ。

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