料理はかどる 便利なキッチン小物
何でもランキング
シリコーンに熱い注目
家庭で料理して食べる内食志向を受け、キッチン用品売り場がにぎわっている。新たな素材や形状に工夫を凝らした新製品も相次いでおり、選ぶのに困るほどだ。従来品や類似品と比べて使い勝手がよく、いろんな場面で活躍するキッチン小物を専門家が実際に試して選んだ。
対象としたのは、調理用具のうち、鍋類やフライパンなどを除いた小物類。上位に目立ったのが、耐熱性に優れたシリコーン素材の製品だ。1、3、4、9位が取り入れており、いずれも200度以上の温度に耐える。
シリコーン素材を使ったキッチン用品は、水切りざるや電子レンジ用蒸し器など、ランキングに入った商品以外にも増えており、人気になっている。かつては「普通のゴムやプラスチックと混同し、熱に溶けてしまうのではと不安がる人が多かったが、認識が高まり、利用者が増えている」(ライフスタイルジャーナリストの本間美紀さん)。
伸縮性があるのもシリコーン素材の特徴だ。狭い間に入ったり、小回りのきく動きができたりするため、高評価につながった。色も豊富。「機能だけでなく、キッチンを楽しくしたいとデザインにも一段と注目が集まっている」(伊勢丹新宿店キッチン雑貨バイヤーの杉原正規さん)
手早く調理や後片付けができる「時短」も最近の調理用具のキーワード。2位の製品は野菜を洗いながら皮をむくことができる。また、おろし金は食材が詰まりがちで洗うのが面倒だが、5、7位の製品は水を流すと食材も落ちる。
今回のグッズは2位と、7位の受け皿部分を除き、食器洗い乾燥機にも対応している。シリーズ展開しているものも多いので、自分に合った道具を探せば、調理が一層楽しくなるだろう。店によって品ぞろえは異なるが、大手百貨店や専門店、東急ハンズ、ロフトなどで購入できる。
米・仏などの海外メーカーも人気
海外メーカーの活躍も目立った。3位のオクソーは米国で1990年に誕生。関節炎の妻がリンゴの皮をむくのに苦労する姿を見た創始者が、子どもからお年寄りまで簡単に使える製品を作ろうと始まった。掲載を1社1商品にしぼったためランキングには入らなかったが、同社は上から目盛りが見える計量カップ「アングルドメジャーカップ」やソースがからまりやすいはけ「シリコンブラシ」も高評価だった。
5位のマイクロプレインも米国の会社だ。元々は大工用品メーカーで、ヤスリでオレンジの皮をこするという発想からキッチン用品に進出。切る、おろすの道具類が充実している。8位のピールアピールはスイス、9位のマストラッドはフランスのブランドだ。
調査の方法 調理に使う小物が対象。鍋類やフライパンのほか、電子レンジ用グッズ、調理家電も除いた。東急ハンズやロフトなどでの売れ筋と専門家の推薦で32商品を候補に選出。専門家が実際に使い、利便性や出番の多さ、価格などを総合的に評価した。1つのメーカーで複数の商品が入った場合は最上位の1種類を掲載した。専門家は次の通り(敬称略、五十音順)。
青木敦子(料理研究家)▽池上正子(同)▽今別府靖子(同)▽植田尚子(高島屋MD本部チーフバイヤー)▽杉原正規(伊勢丹新宿店キッチン雑貨バイヤー)▽野口英世(フードコーディネーター)▽本間美紀(ライフスタイルジャーナリスト)▽町田えり子(料理研究家)▽柳瀬真澄(フードコーディネーター)▽山本奈緒子(ライター)
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