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新米の粋を味わう 土鍋で炊き、塩を変えて旨み楽しむ

魅惑のソルトワールド(7)

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NIKKEI STYLE

食欲の秋が到来し、いよいよこの季節がやってきました!

ぷっくりつやつや、甘くて旨くて瑞々しく、ふわりと立ち昇る芳醇な香りが私たち日本人の心、いや胃袋をつかんで離さない…そう、「新米」の季節です!

収穫されてから同年12月31日までに精米・袋詰めされたお米を「新米」と呼びますが、沖縄などの早いところでは6~7月ごろにはすでに新米が登場しはじめます。そこから桜前線ならぬ「米前線」よろしく北上していき、全国的には9~10月が一般的です(品種によっても異なりますが)。

近年では、活発な品種改良によって、いわゆる昔ながらの「米どころ」以外でも、全国各地にブランド米が登場しており、楽しみが増しすぎて尽きるところを知りません。ちなみに私は、新潟県が新たに売り出し中の「新之助」が好きです。あの甘味とコク、そして大粒でぷりっとしているところ、冷めてもおいしいところが、私の心をつかんで離しません。

土鍋で炊く~新米をよりおいしく

さて、新米とはいえども、研ぎ方はいつものごはんと同じ。

1回目は、お水にさっとくぐらせる程度で、そのあとは、すすぐくらいのつもりで軽く洗って、水が半透明になったらOK。そのあと30~120分程度水に浸しておきます。

そのあと炊き上げるわけですが、大事なのは水加減。鮮度のよい新米は、普通のお米よりもやや水分を減らして炊くのがよいとされています。炊き上がったら少し蒸して、上下が混ざるようにざっくりとほぐします。

ここで強くお勧めしたいのが、「土鍋」です。10万円を超えるような高性能の炊飯器をお持ちの方はもちろんそれでOKなのですが、そうでない方は、ぜひ鍋炊きに挑戦してみてください。炊飯専用の土鍋はもちろん、冬に鍋物に使う土鍋でももちろん大丈夫。

「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いても蓋取るな」というように「ごく最初は弱火で鍋全体を温め、強火にして、勢いよく蒸気を吹いたら弱火にする」こと。「15分炊いて、15分蒸らす」こと。そしてなにより「途中で絶対に蓋を開けない」ことさえ守れば、おいしく炊き上がります。ぜひお試しください。おこげができたりするのも、また一味違ったおいしさが楽しめます。

新米の味わいを引き出すには「塩」

さて、ここまで新米の炊き方を説明してきましたが、みなさん、どのようにして新米を楽しまれていますか? もちろん「そのまま食べる!」という方が多いと思いますが、ここで一つぜひ知っていただきたいことがあります。

塩を少量使いわけることによって、もっとたくさんの米の魅力を引き出すことができるのです。

普段はTシャツにジーンズ姿の男性がスーツを着た時に胸がときめくように、普段は化粧っ気のない女性がちょっとおめかししたのを見てドキッとするように。ただそのものだけでも十分においしい新米ですが、ほんのちょっとの塩を加えてあげることで、甘味が増したり、旨みが増したり、よりジューシーになったり……普段は見えないおいしさを引き出すことができるのです。

茶碗に盛られたアツアツのご飯。1膳目はそのままでお米そのものの味わいを楽しむ。そして、2膳目は、ぱらりと塩をかけて、お米の隠れていた側面を引き出して楽しむ。そして、お出かけには、好きな塩でおにぎりにして持って行き、冷えたお米のまた違った味わいを楽しむ。

お米好きにはたまらない、まさに「新米を味わい尽くす」楽しみ方ではないでしょうか。

当然のことながら、使う塩によって引き出される米の味わいは異なります。このあと、お米と合いやすい塩をご紹介しますので、ぜひお試しください。ただし、お米の品種によっては、同じ塩を使っても引き出される味わいが異なる場合もあります。それはそれでまた楽しさということで、ご了承くださいませ。

お米の甘さを倍増させるのは「甘い塩」

この連載の中でも何度か触れてきましたが、引き立たせたい味(この場合は甘味)と同じ味(甘味)を持つ塩を選んであげることが基本です。今回は甘味ですが、甘味の強い塩とは、ミネラルの成分でいうと、ナトリウムが少なく、カルシウムが多い塩が多い傾向があります。こういった塩を使うことで、お米の甘味が相乗効果で倍増します。

まるで粉雪を思わせる見た目の「雪塩」が生産されているのは、その海の美しさで知られる沖縄県の宮古島。島の土台を成す琉球石灰岩に浸透した地下海水を取水し、逆浸透膜で濃縮したあと、独自の瞬間蒸発製法でにがりも含んだまま結晶化しています。そのためナトリウム構成比が低く、カルシウムやマグネシウムが多めです。しょっぱさはほとんど感じず、お米の下に潜り込んで、お米の甘さを存分に引き出してくれます。

パウダー状なので、おにぎりにする場合には、酢飯を作る感覚で先にごはんに混ぜ込んでしまってから握るのがおすすめです。ただし、長時間置いておくと、黄色く色づくことがありますのでご注意を。

塩は一般的には中性~弱アルカリ性を示しますが、塩化マグネシウムの多い塩というのはアルカリ性に寄っていきます。「にがり」の主成分は塩化マグネシウムなので、いわゆる「にがり」成分を多く含んだ「雪塩」は、弱アルカリ性を示します。そのため、握ってから長時間経つと、お米の表面がアルカリ性になり、米に含まれるフラボノイド色素がそれに反応して黄色くなってしまうことがあるのです。劣化したわけではなく風味には影響はないので、そのままお召し上がりいただけます。

溢れる旨みは「濃厚な塩」で

甘さを倍増させる塩と同じ理論で、お米の旨みを前面に引き出したい時は、旨みの強い塩をセレクトします。お米も品種によってアミノ酸含有量が多いものと少ないものがあるので、多いお米と合わせる時には相乗効果で旨みが倍増し、少ないお米と合わせる時には、塩の旨みでお米を食べるという感じになります。

濃厚な旨みで食べた人を驚かせるのが「ひんぎゃの塩」。伊豆諸島最南端に位置する東京都の離島・青ヶ島で生産される海水塩です。

青ヶ島は火山島のため、島の一部には「ひんぎゃ」と呼ばれる高温蒸気の噴出孔があり、電気がない時代にはこの熱を利用して生活が営まれていたと言います。青ヶ島を流れる海水を、ひんぎゃの熱を利用して温めて濃縮・結晶させるという珍しい製法で製造されたこの塩は、ほどよいしょっぱさと非常に濃厚な旨み、長い余韻が特徴です。炊きたてのアツアツごはんにぱらりとかけて食べてみてください。

これさえあれば海苔いらず「藻塩」

「藻塩」とは、古くは万葉集にも詠まれている日本古来の製塩方法で作られた塩のこと。

干した海藻に海水をかけ流して濃縮塩水を得てから釜で炊く製法で、海藻に海水をかける過程で、海藻のエキス(主にヨウ素)が海水中に染みだし、その多くは茶色く色付いています。海藻のエキス入り、つまりは「だし」入りのようなものなので、海藻の風味が残っていたり、旨みが強く入っていたりと、塩だけで握ったおにぎりなのに、なんだか海藻(海苔)の風味も感じられるという一石二鳥の塩なのです。

「玉藻塩」は新潟県の笹川流れ沿いに立つ製塩所で生産される藻塩で、「玉藻」とは、製塩所の目の前の海で獲れる「ホンダワラ」のことをさします。

このホンダワラを海水と一緒に煮詰めてエキスを抽出しているため、非常に濃厚な磯の風味と海藻由来の強い旨みを感じることができます。某テレビ番組でも「最もおにぎりに合う塩」に選ばれるなど、お米との相性の良さはお墨付き。少し温かさが残るくらいのおにぎりだと、香りもたつので最適です。

こちらの「昆布屋の作った昆布塩」は、その名の通り、昆布屋さんが作った藻塩。プロの目利きで厳選した昆布(北海道産)を、高知県黒潮町にある天日塩工房に持ち込み。海水を濃縮したかん水に漬け込んでもらい、日々様子を見つつかき混ぜながら、太陽と風の力だけで結晶化させています。

少し粗めの粒がほどけるとともに昆布の旨みはしっかりと感じるものの、前に出過ぎず、そしてほどよいしょっぱさと塩由来の酸味が全体を引きしめてくれます。冷えた塩おにぎりにぴったりです。

やっぱり外せない「ごま塩」や「梅干し」

「色々塩でお米の味が変わるのはわかった! でもやっぱり定番のごま塩と梅干しは欠かせない!」というあなた。実は、そんなあなたにぴったりな、こだわりの調味塩があるんです。

この「ごま塩」は、ダイビングスポットととしても名高い沖縄県の石垣島の海水を原料に生産された「石垣の塩」に、同じく石垣島産の黒ごまをブレンドし、焙煎したもの。それだけ聞くと、普通のごま塩のようですが、驚くなかれ。国産のごまの自給率は、なんとたったの0.1%。ほぼすべてが外国産で占められています。さらにその中でも石垣島産というのは、非常に珍しいのです。

また、このごま塩は、ただ塩とごまを混ぜただけではなく、特殊な製法で、ごまを塩でコーティングしています。そのため、「ここはごま味、ここは塩味」というようなムラにならずに、味が均一に全体に行き渡ります。温かいごはんにかけるもよし、おにぎりにしてお弁当に持って行くのもお薦めです。

こちらのピンク色の可愛らしい塩は「海みたま 梅の塩」。宮崎県延岡市北浦町の漁港内にある製塩所で、元漁師の父とその跡を継いだ息子の親子で生産しています。遠く大分県との県境まで船を出して取水した海水を原料に塩を作り、そこに同県産の梅と紫蘇でできた梅酢を加えて乾燥させています。

ここまでならよくある「紫蘇味のピンク色の塩」なのですが、こちらの塩は、さらにそこに梅そのものの粉末を加えたという、非常に手の込んだ一品です。その昔、おばあちゃんが毎年漬けてくれていた、ガツンとしょっぱいけどうまみも強い梅干しの味を思い出せてくれます。

とにもかくにも、1年に1度の新米シーズン。今だけのお米のおいしさを存分に味わいましょう!

ちなみに「ダイエット中だけど新米は食べたい!」という方のために。炊いてからゆっくりと冷えたごはんは、「難消化性でんぷん」が形成されるため、食物繊維と同様に糖質や脂質を吸収されにくくしてくれる作用がある、つまり「太りにくい」と言われています。ぜひお試しあれ。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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