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米グーグルのビジネスは法律やプライバシーの問題を巧みにかわす設計で成り立っている

米グーグルのビジネスは法律やプライバシーの問題を巧みにかわす設計で成り立っている

最近の企業には"あそび"の部分が少なくなってきましたね。時代の流れで仕方のないことかもしれませんが、コンプライアンス(法令順守)や説明責任といったキーワードが重要視される分だけ、企業経営に余裕の部分が減ってきたと思います。これは正しい経営にとっては大切なことなのですが、戦略思考においては由々しき問題を引き起こします。

戦略を発想するにあたって、コンプライアンスにひっかかりそうなもの、不道徳になりそうなもの、株主に説明しにくいものを考える前に排除してしまうからです。

別に法律に反する計画や謀略を考えようと言っているわけではありません。ここは重要なところなので強調しておきたいのですが、コンプライアンスにひっかかりそうなものと、コンプライアンスに反するものは別物です。前者は微妙な問題があるかもしれないので慎重に設計しなければならないもの、後者は違法なものと考えれば、前者を必死に考えることは別に悪いことでもなんでもないことがわかると思います。

戦略思考力を鍛えるためには、発想の枠を狭くしてはだめです。

その観点で言えば、「この領域はコンプライアンス上、微妙な問題があるから最初から考えることをやめよう」「こういう進め方ではわが社の場合、説明責任が問われて先に進まないだろうから考えるのをやめよう」という発想が強い人は、それだけ戦略思考の幅を自分で狭めていることになります。

考えてみてください。グーグルのビジネスモデルは道徳的に問題があるのではないかと感じる人も少なくないでしょう。あなたが何かを調べて(検索して)いるのを察知して、そこに広告を打つことで利益を稼いでいるのですから。

でも微妙な問題をはらんで発想されたグーグルという商品は、広く世の中で受け入れられているどころか、世界を支配する力を持つまでに成長しています。その理由は「あなたが何を検索したのか、誰にもその情報は開示されない」ように商品が作られているからです。

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