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働くママの支援サービスを起業 保活の実体験から着想 マザーネット社長 上田理恵子さん

2017/9/13

当初は関西地区中心でしたが、「私の住んでいる千葉県市川市でもぜひやってほしい」との要望を受け、創業5カ月目には関東地区に進出。その後も長野、福岡にエリアを拡大し、今では北は札幌、南は鹿児島までカバーしています。

とりわけ都市部で待機児童問題は深刻です。保育園に入れなければ育休を延長せざるを得ず、企業にとっても女性社員が復職できなければ大きな戦力損失になります。そこで、これまでの情報交換会などで蓄積された保活の情報やノウハウを生かし、法人対象の「保活コンシェルジュサービス」を13年からスタートさせました。

独自のネットワークを使ったり自治体に直接確認したりして、「今度、○○市で保育園が新規開設される」といった情報を入手。それらを基に入園に向けたアドバイスを提供しています。

■ワーママ増え上司も苦悩 各自が歩み寄り負担を軽減

育児と自分の親の介護が重なるダブルケアが社会問題になっていますが、近ごろ問い合わせが多いのはペアレントサービスです。例えば白内障やがん治療などは介護保険の対象外ですが、働くママ・パパは遠方に住んでいる親御さんがこのような病気になっても、頼るところがどこにもない。そんな高齢者をケアするサービスです。利用者からは「親をサポートしてくれるので安心して海外赴任ができるようになった」と感謝の声をいただきました。

働くママが増える一方で職場の上司の悩みも増えています。管理職向けワークライフバランス・セミナーで講演すると、終了後は質問の嵐。その多くが「育休を取得する女性社員が増えたのに、現場の人員が増えない」「働くママの時短勤務のしわ寄せが独身女性と男性社員に集中してしまって不満が高まり、職場のモチベーションが上がらない」といったマネジメントについてのことです。

こうした問題は社員それぞれの少しずつの歩み寄りが重要だと考えます。ワーママは子どもを保育園に入れられたら、残業まではしなくても、復職直後からフルタイム勤務を目指す。初めはつらいかもしれませんが、それで職場が回ります。また、週末出勤の職場では、パパの協力を得ながら月に1回でも土・日出勤ができれば全体の負担が和らぎます。

次男の星(せい)さん(写真右)の大学院での研究テーマは「男性保育士はなぜ増えないか」

■家事代行を上手に使って、子どもとの時間の確保を

高齢出産の増加に伴い、最近はダブルケアに自分自身を加えた「トリプルケア」という言葉も出てきています。年を取るほど体力的にしんどくなり、知らず知らずのうちにストレスを抱えていることがあります。そんなときは気分転換を兼ねて家族で外食に行くのもいいのではないでしょうか。

仕事をしていると、どうしても家でできることが限られます。私の印象だとむしろ働くママのほうが「自分で何でもやらないと」というこだわりが強い傾向があるようです。自分の中で優先順位をつけて家事代行サービスをうまく利用することで体を休めて、お子さんとのコミュニケーションの時間を確保してください。

私自身も企業に勤務していたころは夜遅くまで残業もあって、子どもたちとゆっくり過ごす時間がありませんでした。忙しいとどうしても愛情が伝わりづらい。

ではどうすれば深いコミュニケーションが取れるのかと考え、実行したことがあります。それは日ごろから子どもたちに「大好き」と言葉で伝えることでした。彼らもすごくうれしそうで、「お母さんは自分のことを大切に思ってくれているんだ」と分かってくれた様子でした。

この習慣は子どもたちが大きくなってからも続けました。以前、高校生だった次男に「お母さん、誰好きか知ってる ?」と聞いたら、照れ隠しで蹴飛ばされましたが。そんな彼も今年で23歳になり、今では「はいはい。分かってるって」と半ばあきれながらも受け止めてくれるようになりました。

上田理恵子
マザーネット社長。1961年鳥取県生まれ。84年大阪市立大学卒業後、ダイキン工業に入社。2001年同社退職後、マザーネット設立。16年追手門学院大学客員教授に就任。著書に「働くママに効く心のビタミン」(日経BP社)。

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