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岡山デミカツ丼、加古川かつめし デミグラス系は牛もカツ丼礼賛(6)

ソースは3日かけて仕込む。現在の店主は4代目だが、ご本人以外女将さんすらそのレシピを知らないという、いわば一子相伝の味。味を受け継ぐのには、それぞれ何年もかかってきたとのことで、もうすぐ90年に迫る味のバトンをこれからも引き継いでいってもらいたい。

「だてそば」のカツ丼

岡山ではラーメン店にデミカツ丼を出すお店が結構多い。中華そば(岡山ではラーメンではなく中華そばと呼ぶ店が多い)とカツ丼の二本柱のみでやっているこうしたお店の代表格が「だてそば」だ。

昭和30年創業の老舗。カツ丼はサラッとしたデミグラスソースに生卵がついてくる。真ん中にスペースを作ってそこに卵を落として混ぜてから食べるよう、先代の当時に行ったときに教わった。真っ黒なスープの中華そばとともに人気で、今は半々定食など両方楽しめるメニューもある。

前回、岩手県編でカツラーメンを紹介したが、カツをのせたラーメンが複数店存在する地域は数少ない。ここ岡山はそんな地域の一つで「かつそば」と呼ばれるメニューがある。無論日本そばではない。

「浅月」のかつそば

岡山ではラーメンを中華そばと呼ぶため、カツラーメンは「かつそば」になるわけだ。

老舗のラーメン店として人気の「浅月」は昭和23年創業で、岡山で現存するラーメン店としては最も歴史がある。こちらのまかないとして昭和40年頃に生まれたのが「かつそば」。豚骨しょうゆのパンチのあるラーメンにカツがさらにアクセントを加えている。カツは衣がスープに溶けてしまいそうなものだが、不思議としっかりしている。

最後に個店のメニューだが個性的なカツ系メニュー、カツチャーハンを紹介したい。全国的にもありそうで意外とないカツチャーハン。いくつか提供されている店では暴力的なボリュームであることが多い。こちら「梶屋」の「カツチャー飯(お店のメニュー表記)」もかなりの破壊力だ。

「梶屋」の「カツチャー飯」

盆の上の他の器と比較するとその大きさがわかると思う。エビ入りの味のあるチャーハンにクリスピーなカツがのり、その上にピリ辛のバーベキューソースのような特製ソースがかかっている。こちらのお店はファンサイトもある地元の人気店だが、2年ほど前に一度閉店し、その後岡山のラーメン店のオーナーが尽力して復活に至ったとのことだ。

どれだけ地元に愛される地域の名店であっても、近年は閉店する店が相次いでいる。梶屋のように地元の人が残したいお店を、何らかの形で残していくスキームが考えられれば、地域の食文化としての大衆食堂などを残していくことができるのではないだろうか。

(一般社団法人日本食文化観光推進機構 俵慎一)


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