大松屋

東松山やきとりのもう一つの特徴であるみそだれが誕生したのは、寄居でホルモン店を営んでいた「大松屋」が東松山に移転してきたことがきっかけだ。

寄居の時代から東松山のやきとり店に串刺しのカシラ肉を販売していたという「大松屋」。みずから東松山に移り、やきとりを提供するようになると、ホルモンのたれを流用したみそだれを使うようになった。

韓国風の辛いみそだれ

こうして豚肉に合う韓国風の辛いみそだれが誕生、東松山の味が完成した。

みそだれは現在、各店それぞれが工夫を凝らし、その店ならではの味に仕上げているという。

誕生のストーリーはこれくらいにして、おいしい東松山やきとりを実際に味わってみることにしよう。

やきとり桂馬

東武東上線の東松山駅を降りると、確かに駅周辺にはやきとり店が多く目につく。中には「焼肉・ホルモン」の看板を掲げながら、同時にやきとりの赤提灯が下がる店も。ホルモンや韓国焼き肉をルーツに持つ東松山やきとりらしさが肌で感じられる。

今回は、数多いやきとり店の中から、東松山焼鳥組合を代表して「やきとり桂馬」を取材させていただいた。

目の前でおいしそうなやきとりが焼き上がってく

午後5時の開店前に店を訪ねると、すでに長蛇の列。相当な人気店のようだ。カウンターの焼き台前の「特等席」に陣取り、話をうかがいながら本場の東松山やきとりに舌鼓を打つ。

メニューはシンプル。やきとりは、東松山やきとりを代表するカシラ肉のほか、レバー、タン、ハツ、なんこつ、つくね、しろの全6種類。いずれも1本120円だ。

東松山やきとりといえばみそだれ

念のため確認すると、鶏肉と豚肉の合い挽きというつくね以外、すべて豚肉だ。やきとりを名乗りながら、純粋な鶏肉の串ものは皆無というわけだ。

開店と同時にほぼ席は埋まり、それに対応するかのように、焼き台にはカシラ肉がずらりと並ぶ。まずはカシラ肉からいただく。

焼き方は店によって多少異なるというが「やきとり桂馬」では塩など下味は一切つけずに串をそのまま炭火にかける。

みそだれは「ぬる」というより「のせる」イメージ

焼き上がったところを小皿にのせてくれる。

ここでみそだれの登場だ。どれくらいつけたらいいものかとご主人に尋ねると「たっぷりつけて」とのこと。とりあえず撮影用にと、みその入った容器から刷毛で半分だけたれを塗って写真を撮る。すると、隣席の常連さんから声がかかった。

「もっとたっぷりのせないとおいしくないよ」