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リクルートの峰岸社長

リクルートの峰岸社長

入社6年目の1992年に結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバーに抜てきされた。

ゼクシィはある女性社員の発案から事業化が決まりました。創刊チームをつくる際に「カーセンサーに生きのいい営業がいる」と、私に声がかかりました。ブライダル事業には興味はありませんでしたが、新規事業開発にやりがいを感じて引き受けました。

創刊準備で市場調査をすると消費者と結婚式場の双方が不満を抱えていることが分かりました。当時、式場の予約は専門の仲介会社を通すのが一般的。式を挙げた夫婦の話を聞くと「要望を聞いてもらえず思い通りの結婚式ができなかった」と後悔する声が聞こえてきました。一方、式場は集客を仲介会社に頼っており、多額の手数料を払わされるのが悩みでした。

このままでは挙式する人が減りブライダル産業が衰退すると思いました。お世話になった人に感謝し、門出を祝ってもらう文化がなくなるのは悲しいことです。新婚夫婦が希望通りの式を挙げられるよう、式場を直接予約できる仕組みが必要だと感じました。

93年に式場などの広告を掲載するゼクシィを創刊。課長級の営業リーダーとなる。

消費者には挙式費用が分かりにくいという不満もありました。ゼクシィは式場ごとに料理やドレスの価格を載せ、見積もりができるようにしました。しかし、グレードや条件で価格は変わるため、式場側は明かしたくない。競合の式場と比較されるのにも抵抗があったようです。

価格が不透明なままでは健全な市場は形成されません。式場を1軒ずつ訪ねて、狙いを説明して回りました。料金を出せないという式場は、一番多い価格帯を聞き出して載せました。式場からは何度もクレームを受けましたが。

創刊から2年は販売部数が計画を下回る状況が続いた。

ゼクシィは当初、男女の出会いに関する情報も掲載していました。ブライダルだけでは収益化が難しいと考えたからです。しかし、結婚を決めたカップルや式場からは不評だったので、ブライダルに集中することにしました。するとゼクシィ経由の予約が増え始め、価格表示を渋っていた式場も理解を示すようになったのです。

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