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地域別の「一番搾り」造りわけの打ち上げ(都内の居酒屋で。左の列奥から3番目が本人)

地域別の「一番搾り」造りわけの打ち上げ(都内の居酒屋で。左の列奥から3番目が本人)

キリンビールの布施孝之社長の「仕事人秘録」。最後となる第13回は社員に変革を訴え続けている今について語ります。

――2014年3月、キリンビールの営業部門を担当するキリンビールマーケティング社長に。15年1月からはキリンビールの社長に就任した。

キリンビールの社長になってから始めたのが社員との対話です。全国の支社や工場を訪ね語り合うのです。まず30分は私の思いを伝え、その後に1時間ほどフリートーク、社員からの疑問に答えます。

しかし、本番はこの後です。スルメやピーナツをつまみにしながら、缶ビール片手に社員たちと議論をするのです。これがとてもいい。みんなの本音が聞けるのです。

今、キリンビールには国内シェア63%を誇った時代の勢いはありません。2016年1~6月のビール系飲料の課税済み出荷量のシェアも32.1%。1位のアサヒビールの39.2%にはまだまだ及びません。

しかし、明るい材料はでてきています。経営資源を集中させてきた「一番搾り」が好調で、15年はビール販売量が前年比プラスになりました。実に21年ぶりのことです。16年は15年ぶりのベースアップも実施しました。

スモールサクセスの積み重ねが大切なのです。小さな積み木を重ねていく。やがて大きな流れになります。

ですから私も目線は昔のまま。朝、出勤時には思わずゴミの収集場所で足を止め、キリンビールの空き瓶や空き缶がどれだけ家庭から出てきているのかを確認、夜の飲食店街では軒下に出ているキリンビールの空き樽(たる)の量を心配します。

――社員に変革を訴え続けている。

社員も変わりつつありますが、まだまだ。失敗や減点を恐れている。これはキリンビールが圧倒的に優位な立場にあった名残かもしれません。

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