しかし、その時代は過去です。攻めの時です。私は「三振してもいい。責任は私がとる。まずバットを振っていこう」と話しています。そして「顧客のことを一番考える会社に」と訴えています。それができた時にキリンビールは真に復活するでしょう。

47都道府県ごとに造り分ける「一番搾り」はそんななかから生まれた挑戦です。地域の食や文化によってビールの好みは微妙に違う。それぞれ地域の人々と一緒になって地域ごとの味を追求する試みです。

最初はみんな「無理だ」と口をそろえました。生産効率が落ちてしまうからです。しかしなせば成る。9カ所ある生産拠点や営業所、物流拠点などで改革を断行、16年5月、発売の運びとなりました。

やはり夏にはビールと海風が似合う。今年(16年)は久しぶりに稲毛海岸の実家に戻ろうかと考えています。きっと昔のようにみんな集まっていることでしょう。私の顔を見ると「おおタカ坊、ビール飲もうよ」。そう言ってくれるに違いありません。=この項おわり

[日経産業新聞2016年8月10日付]

仕事人秘録セレクションは金曜更新です。次回は2017年8月25日の予定です。

商品企画・プロモーション・マーケティング基礎講座/日経ビジネススクール

マーケティングの基礎を学ぶ講座から、企画・戦略の立案に役立つ実践講座まで!

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら