おむつとビールが一緒に売れる データ生かす戦略思考
iPhoneは「携帯電話」の常識を破り、新たな使い心地や使い道を生んだ PIXTA
頭脳というものは体と同じで、知らず知らずのうちに固くなっていく傾向があります。ビジネスの戦略思考を固くしてしまう一番の敵は常識です。
簡単に言えば、ビジネス常識をたくさん身につけているいいビジネスマンは、頭が固くなる傾向があります。
これはある意味、デキるビジネスマンの宿命です。いい管理職であるには、日々の職場のオペレーションを規律と良い習慣の下で運営し、上司や役員からおりてくる計画を日々粛々と実行し、部下の思いつきや提案については冷静に評価を下し、会社の業績を支える力が必要とされます。
その中核には、長年培ってきたビジネス常識が必要です。
ところが一方で、戦略思考を鍛えるためには、この常識というものをいったん捨て去る必要があります。
アップルのiPhoneは、これまでの常識を捨て去って競争相手に攻めこみました。ノキアの「携帯電話機にはボタンが必要だ」という常識も、マイクロソフトの「パソコンにソフトウエアをインストールする」という常識も、アップルのフラットなタッチパネル端末にアプリをダウンロードして使うというまったく新しい戦略発想によって覆されてしまいました。
そのような不意打ちを受けないようにするためにも、普段の仕事を通じて少しずつ常識で固くなってきた頭脳のコリをほぐす習慣、つまり頭の柔軟体操が必要です。
知識だけではなく、前例主義や経験も邪魔な「常識」
今回の問題でも一見常識に反する何かが起きているのですが、それがなぜ起きているのかを考えてみてください。
中級者の方は、答を見つけるだけでなく、一緒に、なぜそれが常識に反しているように見えるのか、その原因についても考えてみるといいと思います。
そういう制度がない。それをやろうとすると社内を動かすのに非常に手間がかかる。皆が同じ常識に凝り固まっているので説得しきれない。