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岩手の個性派カツ丼 ソースあんかけ、かつラーメンもカツ丼礼賛(5)

洋食の流れをくんだカツ丼

甘みのある特製ソースは、ウスターソースの手法で作られるたれなのだとか。薄目のカツはポークカツレツを想起させ、目の細かなパン粉、それを複数枚丼にのせる。ウスター系ながら甘目でさっぱりとしたソースとともに、洋食の正当な食文化を現代まで引き継いでいるかのようなカツ丼だ。カツの下にはキャベツが敷き詰められ、特製のたれのしみたごはんとだけでも箸が進む。

県南の一関近辺のソース系のカツ丼の話をずっと書いてきたが、岩手県全体では卵とじカツ丼が圧倒的に優位だ。

「工藤精肉店食堂部」の「二階建てカツ丼」

中でも印象に残っているのが、釜石の「工藤精肉店食堂部」。デカ盛りで有名な店だが、味のクオリティーも非常に高い。

真上から見てもまあまあ量は多そうだが、横から見るとその破壊力は強烈だ。

カツが「二階建て」

1階が肉屋さんで2階が食堂となっていて、昼時は大変な賑わい。肉屋さん直営だから、と言われれば理解ができなくもないが、それでもこのサービス精神はすごい。

しかもこの肉厚で存在感あふれるカツが、恐るべきことに2階建てになっているのだ。釜石復興のシンボル的な店として、2019年のラグビーワールドカップで訪れる世界の一流ラガーマンを、その味とボリュームでぜひ驚かせてほしいものだ。

「直利庵」の「ビジュアル系カツ丼」

県都盛岡ではわんこそばが有名だが、そのわんこそばで有名な老舗そば店「東家」「直利庵」ともに、カツ丼も有名。明治17年創業の「直利庵」のカツ丼は何とも見目麗しいカツ丼なのである。

卵の半熟具合が絶妙で、ビジュアル的に白身を美しく見せてくれる。そば屋なのでだしの感じは言うに及ばず、カツも非常においしい逸品。ちなみにこちらには中華そばもあり、カツ中華やカツカレーそばといったカツ系メニューもある。

「千草」のカツラーメン

カツ系メニューといえは久慈にもカツラーメンがある。ラーメン博物館にも出展していた名店「千草」だ。そもそもラーメンの名店でスープはとても優しいが、鶏油のためか一口目にインパクトがある。チャーシューは豚ではなく鶏で、カツラーメンはとんかつがのる。

実はここには以前カツ丼があったのだが、昨年の豪雨災害以来、カツ丼は出されていないそうだ。残念ながら幻になってしまったカツ丼だがだしの代わりにこちらの鶏ガラスープを使っていたそうだ。優しい味が印象的なカツ丼だ。

復活が望まれる「千草」のカツ丼

まだまだ大変だとは思うが、いずれ復活してくれることを願いたい。

岩手はとても広い県で、まだ探検しきれていない。今回一関市旧室根村のあんかけカツ丼やソース合わせ卵とじなど、まだまだ知らないカツ丼に改めて驚かされた。今回書ききれなかったあんかけカツ丼の店や個性的なカツ系メニューもまたいずれ紹介したい。

(一般社団法人日本食文化観光推進機構 俵慎一)


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