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真夏のおいしいコーヒー術 達人に聞く豆選び、いれ方

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NIKKEI STYLE

恥ずかしながら、私は5~6年前までコーヒーが飲めなかった。苦いから…と敬遠していたお子様な私を変えてくれたのは、近所にできた一軒のスペシャリティーコーヒー店。

駅までの道沿いにあるので、毎日店の前を通ることになるのだが、通り過ぎるたびに、なんともいえない魅惑的な香りが鼻をくすぐる。甘いと香ばしいと苦いがまざったような、いい匂い。おいしそう。でも苦手なコーヒーだし、どうしよう。数カ月の逡巡を経て、私はついに誘惑に負け、店に吸い込まれたのだった。

いきなりブラックコーヒーはハードルが高いと思い、カフェラテを注文してみる。挽きたての芳醇な香りが店中に広がる。出されたカップに描かれたラテアート。

「これ、どうやって飲めばいいですか?」とたずねると「ふわっと、全部包み込むように飲むのがいちばんおいしいですよ」と店員さん。一口飲むと、口の中に広がる、えもいわれぬ幸福感。

あの日以来、私はコーヒーの虜だ。

コーヒーは元々イスラム修道者が秘薬として用いていたと伝わる。日本にも鎖国中の江戸時代にはすでに渡来し、シーボルトや大田南畝も飲んだという記録が残り、明治時代になると本格的に輸入されるようになった。

現在では喫茶店からシアトル系コーヒーチェーンの台頭、サードウェーブコーヒーのブームと、コーヒー文化が花開き、すっかり日常に溶け込んでいる。いまや日本はアメリカ、ドイツについで世界第3位のコーヒー輸入国だ。

ところで、夏になるとアイスコーヒーが飲みたくなるが、アイスコーヒーをおいしくいれるのは意外に難しいように思う。ホットでおいしいコーヒーも、冷やしてみたらなんだか合わなかったりする。

夏においしくコーヒーを飲む秘訣はあるのだろうか。

コーヒーの虜になったからには、コーヒーのプロに聞いてみたい。そこで、株式会社ウエシマコーヒーの角地恭治さんをたずねた。角地さんはブラジルでコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)の資格を取得し、全日本コーヒー検定委員会のコーヒーインストラクター講師を務める「コーヒーの達人」だ。

「生豆を見たことがありますか?」

そういって角地さんはコーヒーの生豆を見せてくれた。生豆は緑色だ。この段階ではまだあのコーヒー独特のかぐわしい香りはしないのだそう。試しに嗅がせてもらった。青臭く、かすかにツンと刺激臭がする。

コーヒー豆は赤道付近原産の「コーヒーノキ」の種子だ。1年に1度白い可憐な花をつけ、実がつき、その後6~8カ月かけて成熟する。樹上で完熟した実は、サクランボのように赤くなることから「コーヒーチェリー」とも呼ばれる。ひとつの実から2粒のコーヒー豆がとれる。

この生豆を焙煎(ばいせん)するのだが、焙煎度で風味が変わってくる。

浅煎り(ライトロースト、シナモンロースト)は酸味を感じやすく苦味は少ない。中煎り(ミディアムロースト、ハイロースト)は酸味と苦味のバランスがよく、中深煎り(シティロースト、フルシティロースト)になると酸味が弱くなり苦味が出てくる。深煎り(フレンチロースト、イタリアンロースト)は酸味はほとんど感じず苦味が強くなる。どの味を選ぶかは完全に好みになるので、自分の嗜好に合わせて選ぶとよいという。

では、ここで本題。角地さんに、夏においしくコーヒーを飲むコツを教えてもらった。

夏向きのコーヒーといえば水出しコーヒー。滑らかな口当たりと穏やかな優しい苦みのアイスコーヒーを楽しめる。コーヒーの味の成分の多くは、酸味と苦味の成分で出来ているが、抽出する温度で移動する成分の量が変わるという。

同じ豆から挽いた粉でも、高温でドリップするのと水出しでは味が違ってくるのだ。

抽出温度が高いと苦味のボリュームが多くなり、低温だと水溶性の低い苦味成分の抽出量が少なくなるためすっきりした味わいになる。人によっては物足りなく感じてしまうこともあるが、30℃以上の真夏日にはのどごしの良いアイスコーヒーもお勧めだという。

コーヒーは日中の年間平均気温が22℃くらいの赤道付近の国で生産されていて、その中でも標高の高い地域で生産されたもの、昼夜の寒暖差が大きい地域で生産されたものほど、高品質であるとされる。

「ウエシマコーヒーにもコロンビア・アンティオキア県の標高1800~2350メートルの場所で生産された『天空のコロンビア』というコーヒーがあり、標高の高い地域で育ったものは、上品な甘みも楽しめます。試してみてください」

アイスで飲む場合は通常、酸味の強いコーヒー豆は向かないという。アイス用の豆は、深煎りで真っ黒になったものを使うが、それはコクのあるコーヒーがアイスに向くからだ。

「私がブラジルのカフェで飲んだものは、酸味があるのにおいしかったですね。酸味のあるコーヒーを冷やして、ライムを搾って、はちみつを混ぜたドリンクでした。このレシピには浅煎りから中煎りのコーヒーが合うと思います。ホット用に普段飲まれているコーヒーで試してみてください」

コーヒーを使ったデザートとして人気のコーヒー・アフォガートも自宅で簡単にできるという。エスプレッソでなくても、いつもよりも濃いめにいれたコーヒーでいいそうだ。買ってきたバニラアイスにかけるだけで、おいしいアフォガートになるという。

いかがだろうか。水出しですっきり味わうアイスコーヒーに、コーヒー×柑橘のアレンジレシピ、アイスを使ったデザートなら取り入れやすい。

気軽に試して、夏ならではのコーヒーライフを楽しんでもらいたい。

(日本の旅ライター 吉野りり花)

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