人だかりが絶えない店 皆がつい足を止める「秘策」

PAPABUBBLEはあたりに響く「カンカン、カンカン」という聴覚への刺激で人々の足を止め、「何だろう?」と、その関心をひきつけます。足を止めた人が店を見ると、人だかりに囲まれたオープンキッチンで、見たことがないキャンディー作りが行われています。これがまた、色鮮やかできれいなのですよ。

看板に頼らない、「耳」への訴求で抜け出す

私もそうですが、飴作りの現場など見たことがありません。飴といえばスーパーで並んでいるもの。そんな人間にとっておしゃれなオープンキッチンで、飴作りを見られるのはかなり新鮮です。

ここで「へえ~っ」と感心した人は、つい「できたて」のキャンディーを買ってしまうのです。

孫子の兵法にいわく、「それ地形は兵の助けなり。敵を料(はか)りて勝ちを制し、険阨(けんやく)遠近を計るは、上将の道なり」。これは「地形は、勝利を勝ち取るための有力な条件である。したがって敵の動きを察知し、地形の険阨遠近を考えつつ作戦計画を立てるのが将帥の務めである」という意味です。

どこに陣を張るかは戦いの行方を左右する(関ケ原の古戦場) PIXTA

孫子の兵法が書かれた2500年の昔、今のような破壊力の強い工業兵器はなく、また通信・情報の手段も発達していません。それゆえ、「地形を味方につけて戦う」ことがとても重要だったのです。

そのエッセンスは2つに要約できます。まずは地形の種類を正しく知り、それぞれに応じた戦い方をマスターすること。次に、自らを有利な地に置き、敵を不利な地に置いて戦うことです。

「戦場の地形を良く理解し、有利な場所を確保して戦う」。このような「地形を味方につける戦い」に刺激された、経営学者のマイケル・ポーター教授(米ハーバード大学経営大学院)は「ポジショニング戦略」を提唱したのではないかと。これは勝手な私の想像ですが……。

敵よりも有利なポジションを取ること、そのために差別化された優位性を持つこと。そんな戦略メッセージの元祖は孫子の兵法であるといっても過言ではありません。

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