出世ナビ

孫子の「商法」

無印良品のショック療法 社員を奮起させた社長秘策

2017/6/27

良品計画は一時の不振をバネに再び成長へ向かった

 たとえば会社が赤字に転落したとき、その苦境を脱出するためのカギはなんでしょう。事業の立て直し? 新規事業の開拓? 新組織体制の導入? どの手段をとる場合であっても、そこで働く人々の「やる気」が何より大切なことだけは間違いありません。従業員が本気で改革に取り組むかどうか。これが一番大事に決まっています。

 どれだけ美しいプランを作ろうと、社員がやる気を持って取り組まなければ、絵に描いたもち。だからこそ、どうやってやる気をかき立てるか、これが将たる者の腕の見せどころになります。

 「無印良品」で知られる良品計画は2001年8月中間決算で赤字に転落しました。ここで新社長(当時)に就任した松井忠三氏は、「まさか!」の荒療治に出ました。それはどのような作戦だったのでしょう?

 一般的には「大規模なリストラ」「他社と会社の合併」「情報システムの導入」などが考えられますが、実際はそのいずれでもありませんでした。大げさではなく、もっと身近で、もっと当たり前の作戦によって、新社長は「社員の心に火を付けた」のです。

 ビジネスキーワードにははやりすたりがつきものですが、最近は「モチベーション」という言葉をよく耳にします。この言葉が流行し始めたのは、1990年代後半からだそうです。それほど昔ではないのですね。確かに私の記憶によれば、景気がよかった80年代にはあまり使いませんでした。

 90年代に米国から「モチベーション」が流行したとするなら、そこには理由があると思われます。90年代の米国といえば大企業がリストラを断行し始めたタイミング。働く人々はいつ来るかもしれないレイオフ(解雇)におびえ、「やる気」が失われかねない時期でした。だからこそ、モチベーションアップの施策が必要になったのでしょう。

■集団の「勢い」を盛り上げろ

 白状しますと、私はこのモチベーションという言葉が大の苦手です。自らのモチベーションをアップさせるすべを知りません。やる気になるもならぬも自然まかせ。数年前、突発性難聴という病になってから、その傾向が一層強まりました。とにかく無理が利かないのです。気合いを入れて頑張りすぎたり、徹夜したりするともうだめ。そんなことをすれば、すぐ目まいが発生します。常に自分の体調を確認しつつ、無理のない範囲で働くしかありません。

出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL