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食を旅する

山形冷やしラーメン 氷入りの牛骨スープに歯ごたえ麺

2017/7/11

 7月に入り、いよいよ本格的な暑さがやってきた。

 そうなると恋しくなるのは、冷たい食べ物。かき氷やアイスクリームはもちろんのこと冷や奴や冷しゃぶなど、食事のメニューもひんやりしたものがおいしくなる。麺料理だって同様だ。

 そばなら冷やしたぬき、中華そばなら冷やし中華と、全国的には冷たい麺料理と言えば「たれ」で食べるスタイルが標準だろう。

 そんな中、近年注目を集めているのは、山形発祥の冷やしラーメン。冷やし中華との違いは、たっぷりの冷たいスープを温かいラーメン同様に「飲める」点だ。

栄屋本店の冷やしラーメン

 冷やしラーメンの魅力はどこにあるのか? 山形市にある、県内の麺を手広く製造する酒井製麺所の酒井政輔社長に話をうかがった。

 実は山形市、ラーメンの1世帯当たり消費金額は、全国の県庁所在地および政令指定都市の中でトップだ(2014~16年の平均、「家計調査」による)。山形というとそばのイメージだが、実はラーメンシティーでもある。というか、うどんもよく食べるので、山形は「麺料理王国」と呼んでいい。

うどん、麦切り、ひやむぎ…山形は麺のバリエーションが多い

 ではなぜ山形ではそんなに麺をたくさん食べるのか? 酒井社長の答えは「よく分からない」だった。しかし、そうはいっても何か理由があるはずと、話を続ける。

 香川県や埼玉県のように、二毛作でムギを栽培する地域では、麺をよく食べるのもうなづけるが、山形は米どころ。ムギの生産量は決して多くない。

 酒井社長が結婚の際のエピソードを披露してくれた。奥様の家族が初めてあいさつにみえたとき、両家でいっしょにラーメンを食べたという。山形では大事なお客様をもてなす際には、出前でラーメンをとる習慣がある。

山形ならではの麺料理、ひっぱりうどん 納豆とサバ缶は必須=PIXTA

 関東人の感覚では「そこはすしでしょう」と言いたいところだが、山形ではラーメンなのだという。

 実は山形、伝統的にそば店が食堂でもあり、ラーメン店でもあった。そばも定食もラーメンも、それぞれ別の店で食べるものではなく、同じ店で食べる。出前を取る。そうした文化が、麺料理をご飯ものと区別せず、多く食べる背景にあるのではないか――。酒井社長はじめ、その場にいた地元の皆さんと議論を進めるうち、少しずつ謎が解け始めた。

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