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梶原しげるの「しゃべりテク」

電話が嫌で辞める若者 上役への取り次ぎすら苦痛

2017/6/15

番組担当者が取材や出演をお願いするときに渡す名刺には、氏名をはじめ、企業名、番組名に加え、番組班直通の固定電話番号が記載されているのが普通だ。個人の携帯番号だけの名刺では「テレビ局をかたる怪しい人なのか?」と疑われて交渉がスムーズに行かないことがあるからだ。

これを手渡すとき、番組担当者は大抵、「何かあったらいつでもこちらまでご連絡ください」と一言添える。名刺を渡した相手から「本当に番組関係者かどうかを確認するための電話」がデスクにかかってくることも珍しくないらしい。

多方面に名刺を配り「いつでもご連絡を」とあちこちで触れ回ることもあり、デスクには思った以上に多くの電話がかかってくる。これに新人のADも対応することとなる。

親しくない上役につなぐのを苦痛に感じる若者は珍しくないという PIXTA

取材先に限らず、スポンサーや代理店、プロダクション、しばしば視聴者からも電話が掛かってくる。AD君にとっては「一面識もない人」「どういう立場なのかよくわからない人」からの電話を受けることになるわけで、話の要旨を理解し、「上の人」につなぐ作業は思った以上のプレッシャーとなる。

とりわけ彼らが緊張を強いられるのは、普段口をきいたこともない「局のえらい人」に「お電話です」と告げた際、「どなたからどんな内容?」と問われ、かいつまんで伝えなければならないなんて場面だ。「見知った人との電話」しか経験していない若者にはハードルが高すぎる。「固定電話対応」には「電話の基本訓練」が必要なのだ。「イエデンを知らない子どもたち」はその基礎訓練を受けるチャンスに恵まれなかった世代だ。

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